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東北地域の標高の高い草地へのチモシーの導入は、年間2回刈りの条件下でオーチャードグラスに比較して多収である。また、1番草の刈り取りが適期より遅れても、植生の安定や品質的にも優れている。
東北地域の草地はオーチャードグラスを基幹草種とした造成が一般的に行われてきた。標高の高い地帯にも多くの草地が造成されたが、この草地の刈り取りは適期から遅れることがしばしばで、刈り取り回数も年間2回以下と少ないところが多く、オーチャードグラスの株化や植生および品質の低下を招いている。このような条件下においては、熟期が遅く耐寒性にも優れているチモシーを導入することにより、草地植生の維持と高品質飼料の安定的な生産を図ることができると考えられるため、東北地域の標高の高い草地でのチモシーの適応性と生産性を明らかにする。
試験草地は1994年8月に、標高の高い草地とsて姫神地区(標高900m、1995年5~10月 の日平均13.1度C)と低い草地として厨川地区(標高160m、同期間平均気温17.8度C) に、チモシー(4品種:クンプウ、ノサップ、ホクセン、ホクシュウ)と オーチャードグラス(キタミドリ)を各々単播した。刈り取りは年間2回刈りとし、 1番草を各品種の出穂期頃に刈る適期刈り区と、梅雨明け直後に刈る遅刈り区を 設けた(厨川地区の適期刈りキタミドリのみ年3回刈り)。