マメ科牧草リビングマルチを利用したスィートコーンの無除草剤栽培
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要約
シロクローバをリビングマルチとして利用することにより、除草剤無しでスィートコーンの不耕起栽培が可能であり、慣行栽培と同等の収量及び品質が確保できる。
- 担当:東北農業試験場・畑地利用部・作付体系研究室 (東北農業研究センター・畑地利用部・作付体系研究室)
- 連絡先:024-593-5151
- 部会名: 畑作物
- 専門: 栽培
- 対象: 果菜類・牧草類
- 分類: 指導
背景・ねらい
我が国の畑作においては、農薬や化学肥料に依存せず、自然循環機能を活用した持続的な農業への取り組みが求められている。そこで、マメ科牧草によるリビングマルチを利用したスィートコーンの無除草剤不耕起栽培法について検討し、リビングマルチの持つ被覆力、再生力等のメリットを最大限に活用した環境負荷の少ない持続的な農業技術の開発に資する。
成果の内容・特徴
- リビングマルチを利用したスィートコーンの無除草剤栽培体系は、前年9月にマメ科牧草を播種し、翌年5~6月に牧草を刈取った後、スィートコーンを不耕起播種、生育させるものである(図1)。
- リビングマルチ栽培ではスィートコーン栽培期間中マメ科牧草により地表面は十分に被覆されており、リビングマルチは雑草を顕著に抑制する(表1)。
- スィートコーンの収量は、シロクローバをリビングマルチとして利用すると対照区と同等であるが、アカクローバー、アルファルファでは苗立ちの確保が困難であること等から対照区より劣る(表2)。
- スィートコーンの品質は、シロクローバ、アカクローバをリビングマルチとして利用すると対照区と同等である(表3)。
成果の活用面・留意点
- シロクローバによるリビングマルチ栽培はスィートコーン以外の作物(ナス等)においても活用できる可能性がある。
- リビングマルチの播種量、刈取り高などの栽培管理法については、地域性等を考慮し検討する必要がある。
具体的データ



その他
- 研究課題名:減肥・省除草剤を目指したマメ科牧草リビングマルチ活用型作付体系
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成12年度(平成10~12年度)
- 研究担当者:三浦重典、渡邊好昭、長谷川浩、小林浩幸
- 発表論文等:
1)マメ科牧草リビングマルチを利用したスィートコーンの省除草剤栽培、日作紀69(別1)、140~141,2000
2)シロクローバのリビングマルチ下で栽培したナスの収量、東北農業研究53,199~200,2000