キャベツにおけるフルスルファミド粉剤局所施用による根こぶ病防除効果

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要約

キャベツ栽培において、フルスルファミド粉剤をセル苗定植前の定植部周辺の土壌に混和させる植穴施用あるいは、同剤を畝の中央に条施用することにより、施用量を1/2~1/8程度まで減少させても慣行とほぼ同等の防除効果が得られ、圃場当たりの薬剤施用量を削減することができる。

  • キーワード:キャベツ、根こぶ病、局所施用、施用量削減、環境保全
  • 担当:東北農研・総合研究部・総合研究第3チーム、野菜花き部・野菜花き作業技術研究室
  • 連絡先:電話024-593-5151、電子メールnokooc@affrc.go.jp
  • 区分:東北農業・生産環境(病害)、共通基盤・病害虫、総合研究、野菜茶業・野菜生産環境
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

アブラナ科野菜根こぶ病はアブラナ科野菜の生産を左右するもっとも重要な土壌病害である。現在根こぶ病の防除は発生程度が高い場合は農薬に依存せざるを得ないが、環境保全が叫ばれている昨今、化学合成農薬の使用量を削減する手法の開発は重要である。そこで、本病防除薬剤(フルスルファミド粉剤)の施用量を低減しても同等の防除効果が得られる施用法の開発につながる知見を得る。

成果の内容・特徴

  • フルスルファミド粉剤を定植前に植穴施用(直径15cm×深さ15cmの範囲の土壌に本剤を30kg/10a散布と同等の割合で混和)(図1)、条施用(畝中央に幅20cm×深さ20cmの範囲に本剤を混和)(図2)を行うと、慣行とほぼ同等の防除効果がある(図3)。
  • 植穴施用あるいは条施用の方法で本剤を施用することにより、単位圃場面積当たりの薬剤施用量は1/2~1/8程度まで削減することができる。

成果の活用面・留意点

  • フルスルファミド粉剤の防除効果は薬剤が土壌と十分に混じらないと得られないため、散布・混和時は土壌水分が多過ぎる時を避ける。
  • 植穴施用は農薬登録の適用外なので注意する。条施用は現行の農薬登録上の作条混和の範囲内であり、処理部位の単位面積当たり散布量は現行施用法の20kg/10aとする。

具体的データ

図1 植穴施用時の断面図 図2 条施用時の断面図

 

図3 薬剤施用法の違いが根こぶ病の発病に及ぼす影響

その他

  • 研究課題名:根こぶ病防除対策マニュアルの確立
  • 予算区分:アブラナ科野菜
  • 研究期間:2001~2002年度
  • 研究担当者:佐藤剛、屋代幹雄、松尾健太郎、村上弘治(野茶研)、對馬誠也(農環研)、宍戸良洋、古谷茂貴