有色米のカルシウム含量は「コシヒカリ」よりも多い
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
「コシヒカリ」と比べ、試験ほ場で栽培された有色米および市販の有色米でカルシウムの含量がかなり多く、市販の有色米ではさらに鉄、カリウム、マグネシウム、リンの含量も多い。
- キーワード:有色米、ミネラル、コシヒカリ
- 担当:東北農研・作物機能開発部・加工利用研究室
- 連絡先:電話024-593-6178、電子メールsuzukim@affrc.go.jp
- 区分:東北農業・流通加工
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
有色米はいわゆる「古代米」と称され、ミネラル含量が多いと言われているが、それを裏付けるデータが少ない。そこで、栽培方法が一
定な試験ほ場(各品種・系統の育成地)で栽培された有色米の玄米のミネラル含量を「コシヒカリ」玄米と比較して測定し、有色米のミネラル含量の特徴を検証
する。また、市販の有色米の玄米についても、ミネラル含量を市販の「コシヒカリ」の玄米と比較した。
成果の内容・特徴
- 試験ほ場で栽培された7品種・系統の有色米の平均カルシウム含量は、同じ条件で栽培された「コシヒカリ」と比較してかなり多く、カリウムも多いが、他のミネラル含量に差は認められない(図1)。
- 試験ほ場で栽培された7品種・系統の有色米のうち、カルシウム含量は1系統を除いて「コシヒカリ」よりも多い(図2)。
- 一般に流通している市販の有色米(25点)においても、カルシウム含量は市販の「コシヒカリ」(21点)と比べてかなり多い(図3)。
- 市販の有色米では、銅、鉄、カリウム、マグネシウム、リンの含量も「コシヒカリ」と比べて多い(図4)。
成果の活用面・留意点
- 有色米のミネラル含量の特性を示す基礎的資料である。ただし、有色米と「コシヒカリ」の差が生じる要因は不明である。
- すべて玄米での分析結果である。
- 対照品種を「コシヒカリ」にした理由は、水稲作付面積の約4割にもおよぶ主要品種であるためである。
- 試験ほ場産有色米とは、その有色米が育成された土地で標準栽培された米である。
具体的データ





その他
- 研究課題名:色素米のポリフェノール・有用ミネラル含量の品質・産地間差異
- 課題ID:
05-06-07-01-14-05
- 予算区分:
ブラニチV系(稲)
- 研究期間:
2003年∼2005年度
- 研究担当者:
鈴木雅博、木村俊之、山岸賢治、新本洋士、八巻幸二、老田茂
- 発表論文等:
1) 鈴木、木村、山岸、新本、八巻(2004)食工誌
51(8):424-427.