かんすいペーストによる中華めん用小麦の色相評価法の確立
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要約
小麦粉のかんすいペーストの明るさ(L*)および赤み(a*)と、中華めんの官能検査における色相の評点との間には、それぞれ強い
正または負の相関がみられる。一方、蒸留水ペーストでは明るさ(L*)との間にやや強い正の相関がみられる程度である。中華めん用小麦の色相は、かんすい
ペーストの明るさ(L*)および赤み(a*)で的確に評価できる。
- キーワード:コムギ、中華めん、色相、かんすい、ペースト、官能検査
- 担当:東北農研・作物機能開発部・麦育種研究室
- 連絡先:電話019-643-3512、電子メールmtaira@affrc.go.jp
- 区分:東北農業・畑作物、作物・冬作物
- 分類:科学・参考
背景・ねらい
国内産小麦の生産量が増加する一方、日本めん用としての需要は頭打ちであり、品質の優れた中華めん用品種の早期育成および生産拡大
が望まれている。しかし、中華めん用品種の色相に関する効率的な評価法は確立されていない。そこで、少量の試料で実施可能な中華めんの色相に関する評価法
を確立する。
成果の内容・特徴
- ペーストは、ビューラー式テストミルで製粉して調製した60%粉6gにかんすいまたは蒸留水8mlを加えて作成す
る。かんすいの濃度は、ペースト中の60%粉とかんすい成分との比率が100:1となるよう、蒸留水1リットルあたり炭酸カリウム4.5gおよび炭酸ナト
リウム3.0gとする。
- ペーストの色相と中華めんの官能検査における製めん直後および1日後の色相の評点との間には、以下の関係がみられる。
1)明るさ(L*)は、かんすいおよび蒸留水のいずれも0.1%または1%水準で有意な正の相関がみられる(図1A、B)。
2)赤み(a*)は、かんすいでは0.1%または1%水準で有意な負の相関がみられるが、蒸留水では有意な相関はみられない(図1C、D)。
3)黄色み(b*)は、かんすいおよび蒸留水のいずれも有意な相関はみられない(図1E、F)。
- 以上のことから、中華めん用小麦の色相はかんすいペーストの明るさ(L*)および赤み(a*)で的確に評価できる。
成果の活用面・留意点
- 本成果は中華めん用良色相小麦の選抜に利用できる。
- ペーストの色相は分光測色計(M社、CM-3500d)で測定した。測定条件は、測定径30mm、反射色、拡散照明8°受光方式、SCE方式、光源D65、観察視野10°とした。
具体的データ

その他
- 研究課題名:
寒冷地向けパン・中華めん用等の良色相小麦の早期選抜
- 課題ID:
05-02-04-01-16-05
- 予算区分:
ブラニチ1系
- 研究期間:
2003∼2005年度
- 研究担当者:
平将人、前島秀和、伊藤裕之、谷口義則、中村和弘