機能性成分イソフラボン含量が高く熟期やイソフラボン組成の異なる大豆素材
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
高イソフラボン品種「ふくいぶき」よりイソフラボン含量を高めた大豆6系統を作出し、3系統は熟期別の高含量系統、2系統はイソフラボンの組成別の高含量系統で、残り1系統はソヤサポゲノールB含量も高い系統である。
- キーワード:
ダイズ、イソフラボン、ソヤサポゲノールB、サポニン、育種素材
- 担当:東北農研・水田利用部・大豆育種研究室
- 連絡先:電話0187-75-1084、電子メールyottake@affrc.go.jp
- 区分:東北農業・畑作物、作物・夏畑作物
- 分類:科学・参考
背景・ねらい
大豆子実中に含まれるイソフラボンやサポニン(ソヤサポゲノールB)には、骨粗鬆症予防効果や抗酸化性等の効果が認められ、これら
機能性成分が高い品種の育成が期待されている。イソフラボン含量には遺伝的変異があり、既存品種よりもイソフラボン含量が高い「ふくいぶき」を育成した。
しかし、同品種がやや晩熟なこともあり、熟期やイソフラボン含量について一層の改良が要望されており、改良のための育種素材の作出が求められている。そこ
で、高イソフラボン品種「ふくいぶき」よりもイソフラボン含量がさらに高い系統や早熟な系統を作出する。また、機能性強化を目標に、イソフラボン組成が異
なる系統やソヤサポゲノールBを高めた系統を作出する。
成果の内容・特徴
- 高イソフラボンを目標に3交配組合せより作出した6系統のうち、系統1、系統2および系統3は熟期別に最もイソフラ
ボン含量が高い系統で、系統1は「ふくいぶき」より早熟でイソフラボン含量が1.2倍、系統2は同熟期で含量が1.4倍、系統3は晩熟だが含量が1.6倍
である(表1、図1A)。また、これら系統は遺伝資源と比較しても、イソフラボン含量は高い(図2)。
- 系統4と系統5はイソフラボン組成を特徴とし、系統4はゲニステイン骨格の組成割合が高く「ふくいぶき」対比1.3倍、系統5はダイゼイン骨格の組成割合が高く「ふくいぶき」対比1.4倍である(図1B)。
- 系統6はソヤサポゲノールB含量も高く、「ふくいぶき」に比較して1.3倍である(図3)。
成果の活用面・留意点
- 高イソフラボン品種の育成を目標とした交配母本として利用できる。
- イソフラボンやサポニン合成に関与する代謝系遺伝子の発現解析やゲノム解析の研究材料として利用できる。
- イソフラボン含量等は2004∼2005年秋田県大仙市における測定値である。
具体的データ




その他
- 研究課題名:
イソフラボン等機能性成分高含有新系統・品種の育成
- 課題ID:
05-06-02-01-06-05
- 予算区分:
委託プロ(ブラニチ2系)
- 研究期間:
1999∼2005年度
- 研究担当者:
高田吉丈、河野雄飛、加藤信、湯本節三、境哲文、島田尚典、島田信二