早熟でモザイク病に強い納豆用極小粒だいず新品種「すずほのか(東北146号)」
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要約
だいず「すずほのか」は「コスズ」よりも早熟、短茎で耐倒伏性が優り栽培しやすい。ダイズモザイクウイルスに強く、収量と品質は「コスズ」並みである。子実は極小粒で納豆加工適性も良好である。
- キーワード:ダイズ、すずほのか、早熟、耐倒伏性、ダイズモザイクウイルス、納豆、極小粒
- 担当:東北農研・大豆育種研究東北サブチーム
- 連絡先:電話 0187-75-1084、電子メール www-tohoku@naro.affrc.go.jp
- 区分:東北農業・畑作物、作物・夏畑作物
- 分類:技術・普及
背景・ねらい
国産の納豆用小粒大豆は堅調な需要があり、東北地域では極小粒品種「コスズ」が作付けされている。しかし、「コスズ」は納豆加工適性が良好なものの、東北地方の主要な病害であるダイズモザイクウイルス抵抗性が不十分で、また倒伏しやすく、栽培しにくい欠点がある。他方、2007年から新たな農業政策である品目横断的経営安定対策が導入され、生産の規模拡大が加速することから、作期の分散も可能で機械化適性が高く栽培しやすい品種が一層求められている。そこで、ダイズモザイクウイルス抵抗性と耐倒伏性を強化し、併せて早熟化を図り、栽培しやすい納豆用の極小粒品種を育成する。
成果の内容・特徴
- 「すずほのか」はダイズモザイクウイルス抵抗性で耐倒伏性、小粒、良質の「刈交778F5」を母、納豆用の極小粒品種「コスズ」を父として人工交配を行い、以後、選抜・固定を図り育成した品種である。
- 成熟期は「コスズ」より1~2週間ほど早い(表1、写真1)。
- 「コスズ」よりも短茎で耐倒伏性が優る(表1、写真1)。
- ダイズモザイクウイルスに強い(表2)。
- 子実は極小粒で、子実収量と品質は「コスズ」並みである(表1)。
- 納豆加工適性は「コスズ」並みに良好である(表3)。
成果の活用面・留意点
- 栽培適地は東北全域で、東北において約400ha作付けされている「コスズ」を置換え対象に150haの普及が見込まれる。
- ダイズシストセンチュウに弱いため(表2)、連作やセンチュウ汚染圃場での栽培は避ける。
具体的データ




その他
- 研究課題名:省力・機械化適性、加工適性、病害虫抵抗性を有する食品用大豆品種の育成と品質安定化技術の開発
- 課題ID:211-b
- 予算区分:基盤研究費
- 研究期間:1992~2006年度
- 研究担当者:湯本節三、高田吉丈、河野雄飛、加藤信、島田信二、境哲文、島田尚典、高橋浩司、足立大山、
田渕公清、 菊池彰夫、中村茂樹、伊藤美環子、番場宏治