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二条大麦「小春二条」は播性がIIの寒冷地向け中生種で、耐雪性は「シュンライ」と同等である。穂発芽性がやや難で粒の外観品質が優れる。「ミノリムギ」より麦芽エキスやジアスターゼ力が高い。小規模ビール醸造用として岩手県等で普及が見込まれる。
東北・北陸地域では小規模な醸造会社により、地元産麦を原料としたビール醸造が行われている。しかし、既存のビール用二条大麦は 耐寒性、耐雪性が劣るため、二条大麦を春播したり、六条大麦や小麦を用いて原料確保が行われている。そこで、ビール醸造適性を有し、寒冷地での秋播が可能 な二条大麦の育成を図った。
二条大麦「小春二条」(旧系統名:東北皮38号)は高醸造適性、二条、大粒、耐寒雪性、早生、多収、耐病性、強稈、外観品質良を育種目標として1996年5月に東北農業試験場にて「F1=ニシノゴールド/ミユキオオムギ」を母
とし、「九州二条11号(後のミハルゴールド)」を父として人工交配を行い、選抜・固定を図ってきたものである。2006年に播種した世代はF11であ
る。
育成地では「ミノリムギ」と比較して次のような特徴がある(表1)。
谷口義則、伊藤裕之、平将人、前島秀和、吉川亮、中村和弘、八田浩一、 中村洋、伊藤美環子、伊藤誠治