野菜類の抗酸化活性の評価およびモロヘイヤにおける活性成分の同定

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要約

種々の野菜の抗酸化活性を評価した。また、高い抗酸化活性を示したモロヘイヤか ら5種のフェノール性抗酸化成分を単離・同定した。

  • キーワード:野菜、抗酸化活性、モロヘイヤ、フェノール性抗酸化成分
  • 担当:野菜・茶業試験場 生理生態部 品質解析研究室
  • 連絡先:059-268-4636
  • 部会名:野菜・茶業
  • 専門:加工技術
  • 対象:野菜一般
  • 分類:研究

背景・ねらい

野菜類に含まれる生理的機能性成分のうち、抗酸化性成分は活性酸素による生体成分の酸化傷 害を 抑えることにより種々の疾病や老化を防止するものとして注目されている。本研究では、種々 の野菜の 抗酸化活性を評価するとともに、活性の高い野菜の活性成分を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 野菜類の抗酸化活性は、アオシソ、モロヘイヤ、パセリ、シュンギク、ニガウリ などで強い ( 表1 )。
  • モロヘイヤの抗酸化活性は主にポリフェノール類によるものであり ( 図1 )、そ の活性成分はクロロゲン酸、 3,5-ジカフェオイルキナ酸、ケルセチン 3-ガラクトシ ド、ケルセチン 3-グルコシド、ケル セチン 3-(6-マロニルグルコシド)である ( 図2 )。なかでも、クロロゲン酸は含量が多く、抗酸化活性も強いことから(表2)、 モロヘイヤの主要な抗酸化成分である。

成果の活用面・留意点

  • 本研究で得られた評価結果の活用にあたっては、さらに動物実験等によるin vivo 活性評価 試験が必要である。

具体的データ

表1 野菜のエタノール抽出液の抗酸化活性 モロヘイヤ葉の抗酸化性成分の含量および抗酸化性活性

図1 ロポソームの過酸化に及ぼすモロヘイヤ抽出液、ケルセチン、およびアスコルビン酸の影響

図2 モロヘイヤに含まれるフェノール性抗酸化成分
図2 モロヘイヤに含まれるフェノール性抗酸化成分

その他

  • 研究課題名:野菜類のラジカルスカベンジャーに関する研究.
    生体内の酸化ストレスに対する野菜類の防御効果に関する研究.
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成10年(平成6~12年)
  • 研究担当者:東 敬子・中山真義・一法師克成・山口優一・伊藤秀和・東尾久雄・寺尾純二(徳島大)
  • 発表論文等:1.酸素吸収法による野菜の抗酸化活性の評価. 日本食品科学工学会第43回大会講演集, p.104, 1996.
    2.一枚膜リポソームを用いた野菜類の抗酸化活性の評価. 日本食品科学工学会 第44回大会講演集, p.155, 1997.
    3.モロヘイヤの抗酸化活性および活性物質の単離. 第2回Japanese Society for food factors学術集会抄録集, p.44, 1997.