紫外線照射によるホウレンソウのα-トコフェロール含量の増加

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要約

ホウレンソウに紫外線(健康線用蛍光ランプ)を照射すると、葉中のα-トコフェロールの含量が高まる。

  • キーワード: ホウレンソウ、紫外線、健康線用蛍光ランプ
  • 担当:野菜・茶業試験場 生理生態部 品質解析研究室
  • 連絡先:059-268-4636
  • 部会名:野菜・茶業、食品
  • 専門:食品品質
  • 対象:葉茎菜類
  • 分類:研究

背景・ねらい

高齢化社会を迎え、健康の維持・増進に対する関心は極めて高くなっている。 他方、野菜、とりわけ緑黄色野菜に生理的機能のあることが明らかとなり、注目を集めている 。 そこで、緑黄色野菜に比較的多く含まれ、ビタミンEとしての生理作用に加え、強い抗酸化作 用を 併せ持つα-トコフェロール含量を高めるホウレンソウの栽培技術を開発する。

成果の内容・特徴

  • 紫外線は健康線用蛍光ランプ( 図1 )を使い、日中、植物体直上1～2cmの高さより、 1回5分程度照射(相対紫外線量:2.1～3.5mW/cm2/ミノルタ紫外線強度計検出器UM-25)する。
  • 紫外線を照射することで、照射後およそ24時間後に葉中のα-トコフェロール含量が増加する ( 図2 )。
  • 紫外線を繰り返し照射することで、α-トコフェロール含量をさらに高めまる( 図3 )。
  • 放射紫外線量が少なくなる秋まきハウス栽培のホウレンソウに適用した場合にも、 α-トコフェロール含量の増加することが認められる( 図4 )。

成果の活用面・留意点

  • 紫外線は健康線用蛍光ランプ( 図1 )を使い、日中、植物体直上1～2cmの高さよ り、1回5分程度照射(相対紫外線量:2.1 ～3.5mW/cm2/ミノルタ紫外線強度計検出器 UM-25)する。
  • 紫外線を照射することで、照射後およそ24時間後に葉中のα-トコフェロール含量が 増加す る( 図2 )。
  • 紫外線を繰り返し照射することで、α-トコフェロール含量をさらに高めまる( 図3 )。
  • 放射紫外線量が少なくなる秋まきハウス栽培のホウレンソウに適用した場合にも、α- トコ フェロール含量の増加することが認められる( 図4 )。

具体的データ

図1 供試した健康線用蛍光ランプの分光分布
図1 供試した健康線用蛍光ランプの分光分布

図2 紫外線照射(5分間)が24時間後のホウレンソウ葉中のα-トコフェロール含量に及ぼす影響
図2 紫外線照射(5分間)が24時間後のホウレン ソウ葉中のα-トコフェロール含量に及ぼす影響

図3 1日における紫外線処理(5分間)の繰返し が処理開始後24時間後のホウレンソウ葉中 のα-トコフェロール含量に及ぼす影響
図3 1日における紫外線処理(5分間)の繰返し が処理開始後24時間後のホウレンソウ葉中 のα-トコフェロール含量に及ぼす影響

図4 ハウス栽培ホウレンソウの葉中α-トコフェロール含量に及ぼす紫外線照射処理(1日1回 5分間)の影響
図4 ハウス栽培ホウレンソウの葉中α-トコフェロール含量に及ぼす紫外線照射処理(1日1回 5分間)の影響

その他

  • 研究課題名:栽培条件による野菜のイソプレノイド化合物含量の変動要因の解明と制御法
  • 予算区分:別枠(健康機能)
  • 研究期間:平成10年度(平成5～10年)
  • 研究担当者:東尾久雄・一法師克成・伊藤秀和・東 敬子
  • 発表論文等:1)紫外線ランプの照射によるホウレンソウの品質向上効果について.園学雑 , 65(別1),550-551,1996.
    2)Induction of tochopherols synthesis with supplementary UV irradiation in spinach leaves. Abstracts of XXV international horticultural congress,304,1998.