キャピラリー電気泳動法による茶品質関連成分の同時分析法
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要約
キャピラリー電気泳動法を用いた茶の主要品質関連成分の分析法を開発した。本法 を用いることに より、4種類のカテキン類、テアニン、カフェイン、アスコルビン酸が同時にしか も迅速に定量できる。
- キーワード: キャピラリー電気泳動法、カテキン類、テアニン、カフェイン、アスコルビン酸、同時、迅速
- 担当:野菜・茶業試験場 茶利用加工部 品質化学研究室
- 連絡先:0547 45 4982
- 部会名:野菜・茶業、食品
- 専門:品質化学
- 対象:茶
- 分類:研 究
背景・ねらい
緑茶の品質指標となる成分とそれらの分析法についてはすでに確立されているものの、従来 法では多大の時間と労力を要した。そこで、 キャピラリー電気泳動法という新しい手法を導入することにより分析の大幅な迅速化・省力化 を試みる。
成果の内容・特徴
- 従来法では、テアニン、アスコルビン酸、カフェインとカテキン類はそれぞれ別の手法で分析 する必要があったが、本法では1度にこれら主要品質関連成分を分析できる。
- 200nmではモル吸光係数の小さいアスコルビン酸の定量精度を上げるため、フォトダイオード アレイ検出器を用い200nmと270nmの2波長で同時検出する。
- 試料の前処理は、茶葉粉末からの抽出液あるいは茶浸出液の場合でも、ろ過後メタリン酸水溶 液で希釈しメンブレンフィルターに通すだけであり、極めて簡便である。しかも、1試料の分 析に要する時間は20分と迅速である。
- 1日に使用する電気泳動液の量は数十ミリリットルであり、低ランニングコスト手法である。
成果の活用面・留意点
- 特に緑茶浸出液中の主要成分の同時分析に適しており、紅茶や烏龍茶のカテキン類の分析にも 適用できる。
- 茶葉成分中のアスコルビン酸を同時分析する場合には、従来法に比べて精度の面で劣る。
- 夏季には実験室の空調・除湿に留意した方がよい。
具体的データ

その他
- 研究課題名:茶品質の迅速評価法の開発
- 予算区分:経常
- 研究期間:平成10年度(平成7~10年)
- 研究担当者:堀江秀樹・木幡勝則
- 発表論文等:キャピラリー電気泳動法による茶の主要成分同時分析法の改良.茶研報,
No.87, 59-65,1999.