トマト葉かび病菌〔Fulvia fulva (Cooke) Ciferri〕レースの地理的分布

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要約

1997~1998年に全国各地から採集したトマト葉かび病菌は、レース0、2、,2.4、および2.4.11に判 別された。これらのレースのうち、レース2は全国に普遍的に分布している。しかし、レース0、2.4および2.4.11の3レ ースは、中部、関東、東北地方に分布しているが、他の地方には分布していない。

  • キーワード:トマト葉かび病菌、レース
  • 担当:野菜・茶業試験場 環境部 病害研究室
  • 連絡先:059-268-4641
  • 部会名:野菜・茶業
  • 専門:作物病害
  • 対象:トマト
  • 分類:研究

背景・ねらい

トマト葉かび病の防除には抵抗性品種の利用が有効であるが、葉かび病菌には病原性の分化したレースが存在するため、抵抗性品種の育成・普及を行う上で、葉 かび病菌のレース分布を明らかにすることは重要な基礎資料になる。そこで、本研究ではわが国におけるトマト葉かび病菌レースの全国的な分布を明らかする。

成果の内容・特徴

  • 1997~1998年に全国30道県から採集したトマト葉かび病菌131菌株は、Day(1956)の体系による判別品種に対する反応 からレース0、2、2.4、2.4.11の4レースに判別される (表1)。
  • レース2は全国各地に普遍的に分布している (表2)。
  • レース0、2.4および2.4.11の3レースは東北地方から中部地方に分布しているが、他の地方では分布していな い (表2)。
  • 関東地方では、各レースともほぼ同程度に分布している (表2)。

成果の活用面・留意点

  • 各産地にトマト品種を栽培するときの有益な情報になる。
  • 葉かび病抵抗性品種を育成するための基礎資料になる。
  • レース判別された菌株は、微生物遺伝資源として活用される。

具体的データ

表1 トマト葉かび病菌のレースに対する判別品種の抵抗性

表2 トマトはかび病菌レースの判定結果

その他

  • 研究課題名:トマト葉かび病菌のレース検定
  • 予算区分 :経常・ジーンバンク
  • 研究期間 :平成12年度(平成10~12年)
  • 研究担当者:山田憲吾・我孫子和雄
  • 発表論文等:1997~1998年に西日本で採集したトマト葉かび病菌のレース検定.日植病報,65巻,689,1999.
    1997~1998年に東日本で採集したトマト葉かび病菌のレース検定.日植病報,66巻,11,2000.