アブラナ科野菜におけるマイクロサテライトマーカーの開発

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要約

Brassica rapa のゲノミックライブラリーよりマイクロサテライト領域を含む58個のクロー ンを単離し、ち38個についてPCRマーカーを開発した。これらのマーカーはおのおの1遺伝子座を認識し、 品種間で際だった多型が見いだされる。

  • キーワード:Brassica rapa 、マイクロサテライト、PCRマーカー
  • 担当:野菜・茶業試験場 野菜育種部 育種法研究室
  • 連絡先:059-268-4651
  • 部会名:野菜・茶業
  • 専門:バイテク
  • 対象:葉茎菜類、根菜類、花菜類
  • 分類:研究

背景・ねらい

マイクロサテライトマーカーはゲノム中における遍在性や著しい多型性などのため、極めて汎用性の高い分子 マーカとして注目されている。しかしその開発には多大な時間と労力を要するため、アブラナ科野菜で利用可能なものは ごく少ない。そこでゲノミックライブラ リーからのスクリーニング法により、多数のマイクロサテライトを単離・開発する。

成果の内容・特徴

  • アブラナ科野菜の一種のBrassica rapa のゲノムライブラリーからのスクリーニングでマイクロサテライト 領域を含む58個のクローンを単離し、うち38個についてはプライマーを設計し、PCRマーカーとした。
  • B. rapa の様々なタイプを代表する7つの品種群より選んだ19品種で多型解析を行ったところ、ほと んどのプライマーで多型が検出される (図1)。増幅バンドは1~2本であるので、1遺伝子座を認識し、共優性であることが示唆される。

成果の活用面・留意点

  • 開発されたマイクロサテライトマーカーは、異なる集団で作成した別々の連鎖地図上にある同じ遺伝子座を示すアン カーマーカーになり、連鎖地図の統合に大きな威力を発揮しうる。
  • どのような交配集団においても多型を示す可能性が強く、連鎖地図作成や選抜マーカーとしての利用価値も高 い。

具体的データ

図1 マイクロサテライトを用いた多型の検出

その他

  • 研究課題名:アブラナ科野菜連鎖地図の作成
  • 予算区分 :地域先端・重点支援
  • 研究期間 :平成12年度(平成8~13年)
  • 研究担当者:諏訪部圭太・池谷祐幸・平井正志
  • 発表論文等:Brassica rapa におけるマイクロサテライトの単離.育種学研究2別2,8,2000.