茶の品質関与成分含量に及ぼす窒素施肥量低減の影響
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要約
窒素施肥量を硫安で50kg/10a/年として栽培した一番茶新芽の遊離アミノ酸及びカテキン 等の品質関与成分含量は、100kg/10a/年施肥した場合と差が認められない。このことは二番茶でも同様であ り、施肥処理開始後2年から4年まで同じ傾向である。
- キーワード:窒素施肥量、一番茶新芽、遊離アミノ酸、カテキン、品質関与成分含量
- 担当:野菜・茶業試験場 茶栽培部 上席研究官
- 連絡先:0547-45-4478
- 部会名:野菜・茶業
- 専門:食品品質
- 対象:茶
- 分類:研究
背景・ねらい
茶の窒素多肥栽培が茶園周辺の水系における硝酸態窒素濃度の増加問題を引き起こし、その解決のために少肥栽培技 術の開発・普及が求められている。しかし、開発された技術を普及する場合に、現場では少肥による品質低下の危惧が障 害となっており、窒素施肥量と品質との関係解明が求められている。そこで、品質関与成分について茶新芽中の含量と窒 素施肥量との関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 窒素施肥量を硫安で50kg/10a/年として栽培した一番茶新芽に含まれる全窒素及び遊離アミノ酸(主要な6種の遊離 アミノ酸)の含量は、100kg/10a/年施肥した場合と差が認められない (図1、 表1)。
- 50kg/10a/年施肥した場合の主要な4種のカテキン及びカフェイン、アスコルビン酸含量は、100kg/10a/年施肥 した場合と差が認められず、25kg/10a/年も100kg/10a/年と差が認められない (表1)。なお、中性デタージェント繊維も同様である。
- このことは二番茶でも同様であり、施肥処理開始後2年目から4年目まで同じ傾向である。
成果の活用面・留意点
- 茶新芽中の品質関与成分含量と窒素施肥量の関係を明示することにより、少肥技術の普及促進を図る。
- この成果は窒素肥料として硫安を、年間5回に分施して得られた試験結果である。
具体的データ


その他
- 研究課題名:窒素施用量削減が茶の品質に及ぼす影響の解明
- 予算区分 :経常(場内プロ)
- 研究期間 :平成12年度(平成11~12年)
- 研究担当者:阿南豊正・渡部育夫・堀江秀樹
- 発表論文等:窒素施用量の違いによる茶芽の成分含量の差異.茶研報,88(別),72-73,1999.
窒素施肥量の違いによる茶新芽中の呈味成分含有率の差異.茶研報,90(別),40-41,2000.