ホウレンソウべと病菌の新レースの発生および抵抗性品種
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要約
ホウレンソウべと病菌(Peronospora farinose f. sp. spinaciae)に新たなレースが発生し、日本各地への広がりが確認された。'エーデルワイズ'、'躍太郎'、'勇太郎'、'マジック'の4品種は、レース3、4、新レースの全てに抵抗性である。
- キーワード:ホウレンソウべと病、レース、Peronospora farinose f. sp. spinaciae、抵抗性品種
- 担当:関東野菜研究グループ(野菜茶研・葉根菜研究部・病害研究室)
- 連絡先:電話0298-38-7035、電子メールcichorii@affrc.go.jp
- 区分:野菜茶業・野菜生産環境、関東東海北陸農業・関東東海・病害虫、野菜
- 分類:技術・普及
背景・ねらい
ホウレンソウべと病菌には、これまでにレース1から4の発生が知られており、それらのレースに対する抵抗性品種の利用によって防除してきた。しかし、レース1から4に抵抗性であるホウレンソウ品種にべと病が発生したため、分離された病原菌のレース検定を行う。また,日本でのべと病菌レースの広がりを把握するとともに、抵抗性品種のスクリーニングを行った。
成果の内容・特徴
- 2000年2月に福井県でべと病菌レース4に対する抵抗性ホウレンソウ品種に発生が確認されたべと病菌は、レース3と4と比較してホウレンソウ品種に対する反応が異なり、これまでに報告がない新レースである(図1、表1)。
- 各地で発生しているべと病菌のレースを検定した結果、秋田、宮城、茨城、群馬、千葉、福井、広島および徳島の計8県でこの新レースの存在が確認された(表2)。
- べと病菌の各レースを市販されている144品種のホウレンソウに接種した結果、'エーデルワイズ'、'躍太郎'、'勇太郎'、'マジック'では、レース3、レース4および新レースの全てにおいて発病は認められず、今回試験に用いた全てのホウレンソウべと病菌レースに対して抵抗性を有する(表3)。
成果の活用面・留意点
- べと病菌新レースが発生している地域においても抵抗性品種の利用により、べと病の発生を防ぐことができる。
- 品種に関する情報は、ホウレンソウべと病抵抗性について限定した情報である。
具体的データ




その他
- 研究課題名:ホウレンソウべと病菌新レースの生態特性
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2002年度
- 研究担当者:佐藤衛、山内智史、白川隆、堀内誠三(東北農研)
- 発表論文等:1) Satou et al. (2002) J. Gen. Plant Pathol. 68 (1):49-51.
2) 佐藤ら (2002) 北日本病虫研報 53:46-48.