近赤外分光法によるメロン糖度推定における非接触測定による精度向上
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要約
光ファイバー末端を直接果実に接触させない非接触の近赤外測定法を開発し、本法をメロン果実糖度推定に応用すると、従来法よりも高い推定精度が得られる。
- キーワード:近赤外分光法、非接触測定、メロン、糖度、非破壊計測
- 担当:野菜茶研・機能解析部・品質解析研究室
- 連絡先:電話059-268-4636、電子メールhito7@affrc.go.jp
- 区分:野菜茶業・品質・情報
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
近赤外分光法により果実糖度を推定する場合、実測値との間で大きな誤差を生じることがある。メロンのように果皮が厚く、表面に凸凹がある果実では、従来の方法での測定ではさらに誤差を生じやすいものと推測される。そこで、新しい計測手法を開発し、メロンの糖度推定に応用する。
成果の内容・特徴
- 開発した非接触測定法では、スペーサーを利用して光ファイバー末端と果実との間に2~3mmの空間を設けることを特徴とする(図1)。
- 光ファイバー末端と果実を接触させる従来法と比べて、本法ではメロン糖度の推定精度が向上する(表1)。
- 非接触測定法を応用した実用機が開発され、本機を用いれば樹上のメロン糖度も高精度に推定できる(図2)。
成果の活用面・留意点
- 光ファイバー末端と果実との間を5mm以上空けると推定精度は低下する。
- 本法は小玉スイカの糖度推定にも有効であり、他の野菜・果実にも応用できるものと期待される。
- 実用機は(株)クボタから市販されている。
具体的データ



その他
- 研究課題名:センサ技術を利用した新たな品質評価技術の開発
- 予算区分:交付金
- 研究期間:1998~2002年度
- 研究担当者:伊藤秀和、吹野伸子、森本進((株)クボタ)、山内良吾((株)クボタ)、堀江秀樹、一法師克成、東敬子
- 発表論文等:1)Ito, et al. (2000) Near Infrared Spectroscopy p859-862.
2)Ito, et al. (2001) Acta Hort. 566:483-486.
3)Ito, et al. (2002) Acta Hort. 588:353-356.