3次メッシュコードに対応した詳細な日本茶園地図
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
国土地理院発行の2万5千分の1地形図をもとに、約1×1kmの精密さを持つ日本の茶栽培地図を作成した。作成した地図は3次メッシュコードに対応しているため、国土数値情報等を利用して茶園の解析を行うことができる。
- キーワード:茶栽培地図、3次メッシュ、2万5千分の1地形図
- 担当:野菜茶研・茶業研究部・育種素材開発チーム
- 連絡先:電話0993-76-2126、電子メールhomae@affrc.go.jp
- 区分:野菜茶業・茶業
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
チャを栽培または栽培を計画している土地の土壌や気象などの地理的情報を知ることは、チャの栽培に携わる者にとって重要である。しかし今まで茶園の地理的情報を簡便に入手する方法がなかった。一方、国土交通省主導で整備している国土数値情報等には、農業を行う際に必要な土壌や気象などのデータがメッシュ単位で保存されており、ホームページなどから簡単に入手できる。そこで国土数値情報等のデータと実際に栽培されている茶園の場所が照合できるような茶栽培地図を作成し、チャの導入、栽培管理に利用する。
成果の内容・特徴
- 農林水産省発行の各市町村の茶園栽培面積と国土地理院発行の2万5千分の1地形図を用いて、94.1%の茶園栽培面積をカバーしたメッシュ数7,271の茶栽培地図(図1)を作成した。作成した地図には,茶の栽培面積がメッシュ(約1×1km)単位で記載されている。またメッシュの一つ一つが国土数値情報等のデータと照合できる。
- 現在、茶が栽培されている場所の3次メッシュ番号、栽培されている品種と、その番号が持つ気象データ(3,4月における月最低気温)をもとに、気象条件からみた‘ゆたかみどり’の栽培適地(図2)を検索することができる。
- 現在茶が栽培されている場所のメッシュから土地利用状況のデータを抽出することによって、茶園周辺の土地利用を求めることができる(図3)。
成果の活用面・留意点
- 国土数値情報は、国土交通省国土計画局総務課国土情報整備室のホームページ(http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/)からダウンロードできる。
- 上記のデータを用いて、希望する土地の3次メッシュコードの土壌、地形、気候、土地利用状況や植物植生について調べることができる。また将来新植を計画している新品種の適地検索や温暖化予測等のシミュレーション等に活用できる。
- ダウンロードしたデータの利用に関しては、それぞれのホームページに記載されている注意事項を厳守する必要がある。
- 茶栽培面積がメッシュ単位で記載されている茶栽培地図(図1)については,希望に応じてデータを公開する。
具体的データ



その他
- 研究課題名:早生、品質および収量を決定する遺伝的、栽培的要因の解明
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2001~2003年度
- 研究担当者:大前英、武田善行
- 発表論文等:1) 大前・武田(2002)九農研 65:21