ハクサイ根こぶ病菌の病原性分類のための新たな判別品種

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要約

根こぶ病抵抗性ハクサイF1品種'スーパーCRひろ黄'は、根こぶ病菌の病原性判別に利用できる。本品種と既報の'隆徳'を判別品種に用いることにより、ハクサイ根こぶ病菌を病原性の異なる4グループに分類できる。

  • キーワード:ハクサイ、根こぶ病、病原性、判別品種
  • 担当:野菜茶研・葉根菜研究部・アブラナ科育種研究室
  • 連絡先:電話059-268-4654 電子メールkhatake@affrc.go.jp
  • 区分:野菜茶業・野菜育種
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

ハクサイ主要産地では、根こぶ病抵抗性品種が罹病する事例が認められている。罹病化は病原菌の病原性分化に起因すると考え られ、病原性分化に対応した抵抗性育種を進めるためには、根こぶ病菌の病原性を正確に判別できる方法が必要である。既報の判別品種'うたげ70'(平成 12年度成果情報)は現在市販されておらず、今後の利用が困難であるため、新たな判別品種を選定する。

成果の内容・特徴

  • 根こぶ病抵抗性ハクサイF1品種'スーパーCRひろ黄'は、これまでの標準菌株である結城-01菌と六戸-01菌に対する根こぶ病抵抗性反応が異なり、'うたげ70'と類似する(表1)。
  • 'スーパーCRひろ黄'と'隆徳'を用い、日本各地より収集した15種類の根こぶ病菌(表2)を接種することにより、両品種が罹病するグループ1、'隆徳'のみが罹病するグループ2、'スーパーCRひろ黄'のみが罹病するグループ3および両品種が罹病しないグループ4の4グループに分類することができる(表3)。

成果の活用面・留意点

  • 本判別法は、日本国内のハクサイおよびカブにおける根こぶ病の病原性判別に有効である。
  • 圃場によっては病原性の異なる菌が混在している可能性があるので、本判別品種の抵抗性反応が安定しない場合がある

具体的データ

表1.根こぶ病抵抗性ハクサイF品種の結城-01, 六戸-01菌に対する抵抗性反応

表2.根こぶ病菌の採取地、宿主品種、採取年

表3.15種類の根こぶ病菌の病原性分類と市販根こぶ病抵抗性ハクサイF品種の抵抗性反応

その他

  • 研究課題名:新たな根こぶ病菌株の判別法と高度抵抗性ハクサイ類育種素材系統の開発
  • 課題ID:11-04-01-01-07-03
  • 予算区分:ブラニチ6系
  • 研究期間:2003~2005年度
  • 研究担当者:畠山勝徳、藤村みゆき、石田正彦、鈴木徹、佐藤隆徳