二番茶期の深整枝によるチャ炭疽病防除効果の低下要因と改善
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要約
二番茶期の深整枝によるチャ炭疽病防除は摘採面に発病葉が残り、7月下旬に豪雨に遭遇すると効果は低下する。整枝の時期を遅らせたり、二番茶萌芽初めに殺菌剤を散布すると防除効果の低下を防ぐことができる。
- キーワード:チャ、チャ炭疽病、深整枝、チャ炭疽病防除
- 担当:野菜茶業研究所・茶業研究部・病害研究室
- 連絡先:電話 0547-45-4692、電子メールshakita@affrc.go.jp
- 区分:野菜茶業・ 茶業
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
農薬については安全性や環境への負荷を軽減するため一層の使用量の削減が求められており、チャにおいて農薬の使用量削減の 技術を早急に確立する必要がある。チャ炭疽病については整枝による炭疽病の防除の問題点明らかにし、改良した防除技術を確立して農薬使用量を削減する。
成果の内容・特徴
- 一番茶、二番茶の下位葉にチャ炭疽病が発生すると深整枝(新梢に残葉が1枚残るか残らない程度)後も摘採面に発病葉が残り、梅雨末期の豪雨により防除効果は低下する(表1,2)。
- 二番茶期の深整枝の時期を10日遅らせることにより新芽の生育が梅雨末期のチャ炭疽病感染最盛期を回避することが可能となり、防除効果の低下を防止できる(表3)。
- 二番茶の萌芽初期に農薬を散布することにより二番茶下位葉での発生が抑えられ、深整枝の防除効果の低下を防止できる(表3)。
成果の活用面・留意点
- 深整枝によりチャ輪斑病潜在菌の菌量が増加し、三番茶でのチャ輪斑病や新梢枯死症が増加するので、チャ輪斑病菌の簡易調査法で潜在菌量を調査し、菌密度が高い場合はチャ輪斑病菌に効果のある農薬を散布する。
- 深整枝後、摘採面にチャ炭疽病の発病葉が多く残る場合は、三番茶での萌芽初めから防除を行う。
具体的データ



その他
- 研究課題名:整剪枝と簡易モニター法による病害防除技術の実証
- 課題ID:11-06-02-01-04-03
- 予算区分:IPMプロジェクト
- 研究期間:2002~2003年度
- 研究担当者:秋田 滋、山田憲吾