チャの葉面に生息するチャ炭疽病拮抗菌

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要約

チャの葉面に生息する糸状菌Sporothrix sp.は、チャ炭疽病菌の菌叢生育および発芽管伸長を抑制し、炭疽病病斑の拡大を阻害する。シクロヘキシミド加用培地により本菌を葉面から選択的に分離することができる。

• キーワード:チャ、拮抗菌、炭疽病、Sporothrix sp.
• 担当:野菜茶研・茶業研究部・病害研究室
• 連絡先:電話0547-45-4692、電子メールkenyama@affrc.go.jp
• 区分:野菜茶業・茶業
• 分類:科学・参考

背景・ねらい

植物体表面および周辺には多様な微生物が相互に影響し合いながら生息しており、病害の発生にも深く関与しているものと考えられる。そこで、チャの葉面上の微生物相を調査し、それらの微生物がチャの重要病害である炭疽病におよぼす影響を解明する。

成果の内容・特徴

• チャの葉面から分離された糸状菌Sporothrix sp. Sp-2株は、チャ炭疽病菌との対峙培養において阻止帯を形成し、その培養ろ液はチャ炭疽病菌分生子の発芽管伸長を抑制する(図1、図2)。
• 本菌をチャ炭疽病菌と同時にチャ切り離し葉に付傷接種すると、チャ炭疽病病斑の拡大を阻害し、病斑径を50%以下に抑制する(図3)。
• 本菌は抗カビ抗生物質シクロヘキシミドに耐性であり、シクロヘキシミド加用培地によってチャの葉面から本菌を選択的に分離することができる(図4)。
• 本菌はチャの葉面から10²～10³cfu/cm²の高い頻度で分離される。

成果の活用面・留意点

• 本菌の生態および炭疽病防除への利用法についてはさらに検討する必要がある。

具体的データ

その他

• 研究課題名:罹病茶葉面における微生物相の解明
• 課題ID:11-06-02-01-01-03
• 予算区分:交付金
• 研究期間:1998～2003年度
• 研究担当者:山田憲吾、秋田 滋