スイカ立体栽培の密植条件下での収量特性
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要約
スイカ立体栽培では、地ばい栽培と比べて密植化による総受光量や果実重の低下程度が小さく、単位面積当たり収量は高くなる。
- キーワード:スイカ、果実肥大、受光量、栽植密度、立体栽培、地ばい栽培
- 担当:野菜茶研・果菜研究部・栽培システム研究室
- 連絡先:電話0569-72-1490、電子メールshinwa@affrc.go.jp
- 区分:野菜茶業・野菜栽培生理
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
スイカ立体(垂直整枝)栽培は、つるを上方に誘引することから地ばい栽培と比べて作業姿勢が改善される栽培法であり、今後のスイカ栽培の一つのあり方として期待される。立体栽培と地ばい栽培では、つるの配置が大きく異なるため受光態勢も異なり、栽植密度と果実収量の関係等、果実生産性が地ばいとは大きく異なると考えられる。そこで、技術の生産現場への定着や新規導入促進の一助として、立体栽培の密植条件下での収量特性を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 立体栽培、地ばい栽培とも果実肥大期間の受光量と果実重の間には密接な関係がある。立体栽培における個体の総受光量当たりの果実肥大程度は、地ばい栽培と同程度である(図1)。
- 立体栽培、地ばい栽培とも栽植密度が高くなるにしたがって個体の総受光量が低下するが、その低下程度は立体栽培のほうが小さい(図2)。
- 立体栽培,地ばい栽培とも,栽植密度が高くなるにしたがって一果重は低下するが、その低下程度は個体の総受光量と同様に立体栽培の方が小さい。したがって、栽植密度が高くなるほど単位面積当たり収量は立体栽培の方が高くなる(図3)。
- 立体栽培では、地ばい栽培では実用上不可能な密植条件下でも収量は低下しない(図3)。
成果の活用面・留意点
- 本成果は、品種「縞王マックスRE」の一次側枝二本仕立て一果どり栽培で得られたものである。12月どり栽培では、一方の側枝の第16節前後に着果させ、両側枝を第27節で摘心した。6-7月どり栽培では、一方の側枝の第22節前後に着果させ、両側枝を第33節で摘心した。
- 果実品質については、果実肥大性とは別に検討が必要である。
具体的データ


その他
- 研究課題名:スイカ立体栽培における生産性向上技術の確立
- 課題ID:11-02-02-01-03-04
- 予算区分:超省力園芸
- 研究期間:2001~2004年度
- 研究担当者:渡辺慎一、中野有加、川嶋浩樹、高市益行
- 発表論文等:渡邉 (2002) メロン スイカ 最新の栽培技術と経営(全国農業改良普及協会):111-118.