新たに見いだしたスイカ緑斑モザイクウイルス抵抗性マクワウリ「Chang Bougi」

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要約

マクワウリ「Chang Bougi」は、スイカ緑斑モザイクウイルスのSH株(CGMMV-SH)に対し、発病遅延型抵抗性を有する。

  • キーワード:メロン、スイカ緑斑モザイクウイルス、CGMMV、抵抗性、遺伝資源
  • 担当:野菜茶研・果菜研究部・ウリ科育種研究室
  • 連絡先:電話059-268-4666、電子メールsugimi@affrc.go.jp
  • 区分:野菜茶業・野菜育種
  • 分類:科学・参考

背景・ねらい

Tobamovirusに属するスイカ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)は、メロンモザイク病の主要病原ウイルスの1種である。 本病害は土壌伝染することから、土壌消毒剤臭化メチルの生産停止にともなって、被害の拡大が懸念されている。CGMMVに感染はするものの病徴がでないモ モルディカメロン「Phoot」および「Kachri」がCGMMV抵抗性メロンとして報告されたが、それらを用いた抵抗性品種は育成されておらず、ま た、それら以外の抵抗性素材は発見されていない。そこで、メロン遺伝資源について、メロンで発生し問題となったCGMMVのSH株を用いた抵抗性検索を行 い、新たな抵抗性素材を見いだす。

成果の内容・特徴

  • ほとんどのメロン品種・系統はCGMMVのSH株(CGMMV-SH)に対し罹病性であるが、韓国から導入したマクワウリ「Chang Bougi」(農業生物資源研究所ジーンバンク JP番号216784)(図1)は抵抗性を示す(表1)。
  • 「Chang Bougi」は、罹病性の「アールス雅春秋系」に比べ15日ほど発病開始が遅れ、かつ、病勢進展も緩やかであり(図2)、発病遅延型抵抗性を有する。
  • 「Chang Bougi」はスイカから分離されたCGMMVのW株(CGMMV-W)、あるいは同じTobamovirusに属するキュウリ緑斑モザイクウイルス(KGMMV)には罹病性である(表2)。

成果の活用面・留意点

  • 「Chang Bougi」はCGMMV-SH抵抗性の育種素材として用いることができる。
  • 25°Cを超える条件で「Chang Bougi」にCGMMV-SHを接種した場合、接種上位葉に退緑斑が出現することがある。

具体的データ

表1 メロン品種・系統のDGMMV-SH接種検定結果

図1 「Chang Bougi」の果実

図2 「Chang Bougi」におけるSGMMV-SH接種後の発病株率の推移

表2 「Chang Bougi」におけるCGMMVおよびKGMMV接種後の接種上位葉の病徴発現

その他

  • 研究課題名:ウリ科ウイルス(CGMMV)抵抗性素材の検索
  • 課題ID:11-05-01-01-23-05
  • 予算区分:交付金
  • 研究期間:2004?2005年度
  • 研究担当者:杉山充啓、小原隆由、坂田好輝