ヤーコンの交配育種のための開花促進法
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要約
ヤーコンをヒマワリに接ぎ木し短日処理を行うことにより、開花が促進され交配育種の遂行に必要な開花数がえられる。
- 担当:四国農業試験場・作物開発部・資源作物研究室
- 連絡先:0877-62-0800
- 部会名:作物生産(夏作物)
- 専門:育種
- 対象:他のいも類
- 分類:研究
背景・ねらい
南米アンデス原産のキク科植物であるヤーコンは塊根に多量のフラクトオリゴ精を含有し、フラクトオリゴ精原料作物及び機能性に富んだ根菜として日本での作物化が期待されている。ヤーコンは原産地周辺での栽培の歴史は古いが積極的に品種改良が行われていないので、交配育種による品質・収量、栽培特性の改善効果が大きいと考えられる。しかし、日本では開花が困難で、開花期は遅く開花数も少ない。そこで、交配育種に利用できる簡便で効率的な開花誘導・促進法の開発を行った。
成果の内容・特徴
- ヤーコンをヒマワリを台木として接ぎ木することにより、接ぎ穂ヤーコンの生育を損なわず、多くの株で着蓄開花させることができる(表1)。
- ヒマワリとの接ぎ木親和性には台木の品種間差がある(表2)。
- 接ぎ木親和性には接ぎ木節位の影響があり、一般的には、子葉節とその上位1節で接ぎ木した場合に親和性が高くなる(表2)。
- 短日処理により開花は促進される。その効果は11時間日長が11.5時間日長より高い(表3)。
- 短日処理に接ぎ木を組合せると開花はさらに促進される(表3)。
- 舌状花に結実し、筒状花には結実しない。舌状花の結実率は展開2日目迄に交配した場合に高い(表4)。
成果の活用面・留意点
- ヤーコンは高温下では結実しないため、夏季の交配は冷房温室内で行う。冷房のない場合の交配は9月中旬以降が望ましい。
具体的データ




その他
- 研究課題名:キク科作物の機能性糖類高含有系統の開発
- 予算区分:新需要
- 研究期間;平成5年度(平成3~5)
- 研究担当者:中西建夫、瀧田誠
- 発表論文等:ヤーコンの開花結実性に関する育種学的研究1.開花誘導台木の検索、熱帯農業37巻別号2(講要)、1993。