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白米表層から削りとったコメ粉には、澱粉以外に水溶性糖類も含まれている。主要な糖類は5種で、コメの品質特性との間に密接な関連が見られる。これらは分子量約200万~200の範囲の多糖・少糖・二糖等で、高速液体クロマトグラフで分析できる。
コメの内部は層状に分かれており、各層からは澱粉のほか、呈味物質のオリゴ糖や遊離アミノ酸なども部位別・層別に著しく偏在して検出されることが知られている。しかし最近、その複雑な分布がコメの品質・食味と密接に関連しているらしいことが解ってきた。たとえば、白米の遊離アミノ酸含量は通例1~20mg/100gの水準にあるが、胚芽にはその10数倍、白米表層には数倍、白米内層には数分の一が含まれており、一部は「味覚のいき値」に到達することによって呈味性に寄与している。
炭水化物類では、不溶性の澱粉類(アミ口ペクチン、アミロース)のほか、冷水によく溶ける一連の多糖類も見つかっており、品種や層別にもよるが合計含量は10~30数%にのぼる。白米表層のものは、加水により数十分~十数時間で酵素分解され、主にマルトース類に変化して甘味を示す。これはイネ種子の側からみれば発芽の初期生理反応の開始を意味するが、その反応系の中には、いわゆる品質・食味に関連の深い物質群も含まれていると考えられるので、高速液体クロマトグラフ(HPLC)で分析することをねらいとした。
本法を活用の際は、本葉記載事項(試料調製法、分析条件、使用機種)に留意のこと。また、実験過程でガラス容器・ガラス試験管・金属製品等を使用してNa,K,Mg,Ca等の溶出・吸着を生じた場合には、結果が著しく損なわれることもあり得る。