無人ヘリコプターによる詳細な土地現況の調査手法
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要約
無人ヘリコプターに搭載したカメラで低空から大縮尺の空中写真を撮影し、この写真の判読によって詳細な土地現況を調査する手法を開発した。低空からの大縮尺空中写真は通常の空中写真と比較して、高い土地現況の判読能力を持つ。
- 担当:四国農業試験場・地域基盤研究部・基盤整備研究室
- 連絡先:0877-62-2345
- 部会名:傾斜地農業
- 専門:環境保全
- 対象:農業工学
- 分類:普及
背景・ねらい
中山間地帯では、過疎化とともに農林地の耕作放棄や管理の粗放化が進行しており、土地利用・管理状態の経年的な変化が近年大きくなっている。しかし、土地利用・管理に関する集落単位の詳細なデータの整備は殆どなされていない。
そこで、集落程度の比較的狭い範囲を対象に、詳細な土地利用・管理の現況を簡便かつ正確に調査する手法の開発を行った。
成果の内容・特徴
- 本手法は、無人ヘリコプターに搭載した中型カメラ(ブローニ版フィルム使用)で低空(高度約300m以下)から写真撮影を行い、この写真を判読する事によって詳細な土地現況を調査するものである。
- 本手法は、通常の空中写真判読による土地現況の把握と比較して、高い判読能力を持つ。本手法によって、土地利用についてはほぼ完全に把握できる(写真1、表1)。
- 無人ヘリコプターは狭い空間から離着陸可能な上、任意の地点・高度へ飛行させることが容易である。従って、対象範囲を限定した撮影や連続撮影による面的な撮影も容易である(図1)。また、無人ヘリコプターは低空を飛行するため、雲天的にも写真撮影が可能であり、かつ無人の飛行物体のため、撮影に要する費用は安価である。
- 土地現況の概略調査の場合には、無人ヘリコプターに搭載したビデオカメラで撮影した映像を用いることも可能である。
成果の活用面・留意点
撮影作業においては、地上のモニタテレビで撮影対象を確認しながら撮影出来る撮影システムを用いる必要がある。
具体的データ



その他
- 研究課題名:地理情報システムによる破砕帯地すべり地帯の土砂流出解析に関する基礎研究
- 予算区分:科・重点基礎
- 研究期間:平成7年度
- 発表論文等:吉迫宏・山本博・安武正史(1994):無人ヘリコプターによる土地利用現況の掌握,平成6年度農業土木学会大会講演会講演要旨集,372~373
吉迫宏(1995):破砕帯地すべり地帯における斜面崩壊,農地保全の研究16,農業土木学会農地保全研究部会,71~91