AMeDASデータの空間補間による未観測地点の気象要素の推定
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要約
推定しようとする年及び地点(緯度、経度)を入力すれば、近傍のAMeDASを割り出し、空間補間により日別の気温及び日照時間、日射量を推定するシステムを構築した。リアルタイムで受信した日別AMeDASデータから未観測地点の気象要素を推定することができる。
- 担当:四国農業試験場・生産環境部・気象資源研究室
- 連絡先:0877-62-0800
- 部会名:生産環境(農業気象)
- 専門:農業気象
- 分類:指導
背景・ねらい
作物の適地判定や生育予測等を行う場合、気象に関する情報が不可欠である。しかし、気象観測を行っている地点は限られており、観測点を持たない多くの地域では簡単に気温等の推定が行えるシステムの構築が望まれていた。そこで、未観測地点の気象要素をAMeDASデータから推定するシステムの開発を行う。
成果の内容・特徴
- 推定しようとする年及び地点(緯度、経度)を入力すれば、日別の気温及び日照時間、日射量の推定を行うことが可能である。また、平年値や可照時間の推定が可能である(図1、図2)。推定した値はテキストファイルの形式で出力される。
- 空間補間法として距離の重み付けによる方法を用いる。空間補間に用いるAMeDAS観測点は、近傍4地点で最も誤差が小さくなる。
- 推定精度は、気温で0.7°C、日照時間で1.2時間、日射量で2.42MJである。
- 250mメッシュの地形情報をもとに周辺の地形を再現しつつ日照時間及び日射量の推定を行うため、地形の影響を考慮した推定が可能である。
- 1979年~1994年のAMeDASデータがデータベースとして整備されており、未観測地点における過去の気象条件の推定が可能である。
- 日本気象協会から配信されているAMeDASデータのフォーマットに対応しており、リアルタイムで日別の気温等の推定が可能である。
成果の活用面・留意点
- 作物の生育モデル等と組み合わせることにより、未観測地点での生育予測等が可能となる。
- 本システムが利用可能なパソコンはPC-98シリーズで、四国地域の気温及び日照時間、日射量の推定に直接利用できる。
- ソフトウェアの配布は可能である。
具体的データ


その他
- 研究課題名:環境資源を活用した作物栽培のための地域メッシュデータの作成
- 予算区分:経常
- 研究期間:平成7年度(平成7~10年)
- 発表論文等:AMeDASデータの空間補間について、中国四国の農業気象、第8号、1995.