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模写生長性に基づけば、1株1本植えの個体群における各有効茎の草姿を、葉身長・節間長およびその葉位別変化の型により精密に計量比較できる。
同一試験区の各主稈や株内の有効茎で、止葉葉身長や下位節間長の変異が大きいことの意味が不明であったため、形態的特性の精密な比較法や、理想稲稲作における理想的草姿の計量的な把握方法が確立きれていない。そこで、模写生長性に基づけば、各個体の個々の有効茎の草姿を精密に計量比較できることを検証し、新調査法の基礎を得ようとした。
本成果の前提知見:1株1本植えの試験区では主稈総葉数に1葉の変異があり、総葉数が1葉少ない主稈の葉身長の葉位別変化の型(葉身長パターン)は、他方の主稈の止葉を除いたパターンに同型である。また、後者の主稈では止葉葉身が明瞭に短く、IV、V節間は相対的に長い。以下では後者の葉身長パターンをN型、前者のそれを[N-1]型と呼ぶ。
1株1本植え・基肥のみの栽培試験区においてN型と[N-1]型の葉身長パターンを区別し、主稈と1次分げつ間や品種間などで葉身長パターンを比較して以下の結果を得た。
上記①は、1株3本植え区でも同様に認められた(発表論文参照)。N型と[N-1]型の区別は、調査茎の止葉葉身長と下位節間長の比較で簡易に判別できるが、必要な場合は1区4~5主稈について止葉葉位を調べる。大きい分げつをとれば、[N-2]型はほとんどない。なお本成果は、育成系統や同質遺伝子系統の固定度の調査にも活用できる。