イタリアンライグラスの葉重割合とβ-カロチン含有量の関係
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要約
イタリアンライグラスの生育の進行にともなうβ-カロチン含有量の低下
は,葉重割合の低下によって説明でき,葉重割合からイタリアンライグラスのβ-カ
ロチン含有量を簡易に推定できる。
- 担当:中国農業試験場・畜産部・草地飼料作物研究室
- 連絡先:05848-2-0144
- 部会名:生産管理
- 専門:栽培
- 対象:牧草類
- 分類:研究
背景・ねらい
イタリアンライグラスのβ-カロチン含有量は,生育ステージの進行にともない低下するが,その原因については明らかでない。β-カロチンは,家畜に必須のビタミンAの前駆物質として重要であるが,飼養現場において粗飼料中の含有量が十分把握されていない原因の1つに分析の煩雑さがあげられる。そこで,イタリアンライグラスにおける地上部β-カロチン含有量の生育ステージ進行にともなう低下の原因を明らかにするとともに,β-カロチン含有量を簡易に推定する方法を検討する。
成果の内容・特徴
- イタリアンライグラスを構成する各器官のβ-カロチン含有量は,生育ステージの進行にともなう低下が認められない(表1)。
- イタリアンライグラスの葉重割合は,生育ステージの進行にともない低下する。地上部のβ-カロチン含有量の低下は,器官別重量割合の変化,特に葉重割合の低下に起因する(図1)。
- 葉重割合による地上部のβ-カロチン含有量の推定式はY=14.135+1.433X[Y:β-カロチン含有量,X:葉重割合]で,決定係数が0.914の高い精度の式となり(図2),葉重割合から地上部β-カロチン含有量を簡易に推定できる。
成果の活用面・留意点
- イタリアンライグラスのβ-カロチン含有量の簡易推定法として利用できる。
- 推定式の係数及び定数は品種,地域,栽培条件等により変わると考えられる。
具体的データ



その他
- 研究課題名:放牧地における脂溶性物質の成分動態
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成9年度(平成7年~9年)
- 研究担当者:齋藤誠司・高橋佳孝・井出保行・萩野耕司・佐藤節郎
- 発表論文等:イタリアンライグラスの生育にともなうβ-カロチン含量低下の要因.日草誌(投稿中)