もち性裸麦新品種「ダイシモチ」
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
裸麦新品種「ダイシモチ」は、六条渦性のもち性品種で、早生で「イチバンボシ」より短稈で倒伏に強い。高β-グルカンで、「イチバンボシ」の1.6倍含まれる。粒はやや硬く、精麦白度は高い。収量性は「イチバンボシ」よりやや低い。成熟期の穂は紫穂で、粒は紫粒である。
- 担当:四国農業試験場・作物開発部・資源作物育種研究室
- 連絡先:0877-62-0800
- 部会名:水田・畑作
- 専門:育種
- 対象:麦類
- 分類:普及
背景・ねらい
近年の食生活の多様化の中で、かつて四国地域等で栽培されていたもち麦が見直され、地域特産品としての利用が検討されつつある。しかし、在来種のもち麦は長稈、晩生で栽培特性が不十分である。そこで、熟期、稈長、収量性等の栽培特性を飛躍的に改良し作り易いもち麦を育成して普及を図る。
成果の内容・特徴
本品種は四国農業試験場において、昭和60年12月にもち性・早生・強稈・多収・耐病性を育種目標に、センボンハダカ/モチ麦Dの交配(四交819)を行い、昭和61年11月にセンボンハダカ//(センボンハダカ/モチ麦D)F2の戻し交配(四交935)を行い、以後派生系統育種法により育成した系統である。(表)
- -長所-
(1)アミロース含有率が約5%で「イチバンボシ」対比約1/5のもち性品種である。
(2)「イチバンボシ」より出穂期で4日、成熟期で2日遅い早生である。
(3)稈長は「イチバンボシ」より短く、短稈で倒伏に強い。
(4)機能性の水溶性食物繊経β一グルカン含有率が約6%で、「イチバンボシ」対比約1.6倍含む。
(5)精麦白度が高い。
- -短所-
(1)うどんこ病にやや弱い。
(2)やや小粒である。
成果の活用面・留意点
具体的データ

その他
- 研究課題名:裸麦の早生良質品種の育成(経常)裸麦のアミノ酸組成とアミロース含有率の育種的改善による新品種の育成(高品質輪作)、加工食品向けもち性裸麦品種の育成(新用途畑作物)
- 予算区分:経常、高品質輪作、新用途畑作物
- 研究期間:昭和60年度~平成9年度(高品質輪作は平成3~7年度、新用途畑作物は平成8~9年度)
- 研究担当者:土井芳憲、藤田雅也、土門英司、伊藤昌光、石川直幸、片山 正、神尾正義
- 発表論文等:なし