直達光遮断下におけるトルコギキョウの生育
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要約
直達光遮断下の光環境は季節変化し、 南からの直達光遮断の場合に、その傾向が顕著である。秋期定植無加温栽培では 南からの直達光が遮断されてもトルコギキョウの栽培が可能である。
- 担当:四国農業試験場作物開発部野菜花き研究室
- 連絡先:0877-62-0800
- 部会名:野菜・花き・茶(花き)
- 専門:栽培
- 対象:トルコギキョウ
- 分類:研究
背景・ねらい
トルコギキョウは、傾斜地域で生産が増加しているが、日射量が少ないことが原因と考えられる生育、開花遅延及び品質低下がしばしば観察され、適地選定が特に重要な品目である。そこで、平坦地において4方向からの直達光を遮断して傾斜地域の光環境を模擬し(図1)、光環境とトルコギキョウの生育、品質との関係を検討する。
成果の内容・特徴
- 東遮断は午前中、西遮断は午後からの直達光が遮断されるため 、TPFD(積算光量子束密度)は北遮断と比較して低い(図2)。南遮断の光合成有効光量子束密度は、北遮断と比較して冬期は一日中著しく低いが、夏期はその差異が小さいため、南遮断におけるTPFDの北遮断に対する割合は、冬期から春期にかけて増加する。
- 各作型の特徴(図3)
① 作型1:いずれの処理も高温によって開花が促進され、1番花開花時の茎長が短いことから、トルコギキョウを栽培するのに適した圃場を選定できない。、この作型では利用できない。
② 作型2:南遮断は枯死株が発生するため半数以下しか開花せず早生品種(メロウローズ)では、北遮断で開花が早く、切り花長、切り花重が大きい。一方、晩生品種(つくしの雪)では、開花は北遮断において早いが、切り花長、切り花重は西遮断において有意に大きい。
③ 作型3:南遮断において、冬期の著しい茎伸長の遅延は生育後半に回復し、いずれの品種も切り花長が80cm以上となることから、この作型で南遮断が栽培に利用できる。
成果の活用面・留意点
- 東、西、南、北遮断は、各々、西、東、北、南の傾斜方位を想定している。
- 傾斜地では、本実験とは温度条件が異なるため開花期が異なることが推測されることから、 適用にあたっては現地での実証が必要である。
具体的データ



その他
- 研究課題名:低投入型野菜・花き栽培の技術の導入
- 予算区分:総合研究(地域総合)
- 研究期間:平成12年度(平成9~11年度)
- 研究担当者:竹﨑あかね、藤野雅丈、森昭憲
- 発表論文等:光遮蔽物による被陰がトルコギキヨウの生育、品質に及ぼす影響、
日本生物環境調節学会2000年大会講要、466-467、2000
四国農業試験場報告に投稿中、平成13年3月