※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
妊娠初期に高発現であり、妊娠への関与が示唆されるMx遺伝子は、ウシにおいては選択的スプライシングにより少なくとも二つのスプライシングヴァリアントが存在し、うち一つの転写調節領域に機能的配列が認められる。
妊娠30日齢(黒毛和種)牛の子宮小丘部内膜のcDNAライブラリーから単離した抗ウイルスタンパク質Mxは、I型インターフェロンによって発現誘導を受けること、ウシやヒツジでは妊娠初期に胎子の栄養膜細胞がインターフェロン・タウを分泌し、母胎に着床シグナルを伝達すること、またMxタンパク質が実際にヒツジの妊娠初期に子宮内膜で高発現であることから、妊娠成立・維持に重要な機能を持つ可能性が考えられる。さらに当研究室は、単離したMx遺伝子が既知のウシMx1と異なる新規のMx遺伝子であることを明らかにしている。そこで、このMx遺伝子(Mx1Bと仮称)およびMx1のゲノム構造および転写調節領域の解析を行い、両遺伝子の関係および発現調節機構について検討した。
Mx1B遺伝子の転写調節領域には多型が認められなかったが、その周辺部位、特に5'-CRに遺伝的変異およびアミノ酸変異が存在する可能性があり、それによる機能の変化が予想されるため、その検出法について検討を行っていくことが重要である。