整粒歩合高く粒揃い良く倒伏に強い裸麦新品種「マンネンボシ」
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要約
裸麦新品種「マンネンボシ」は、整粒歩合が高く、原麦および精麦の粒揃いが良い。大粒、やや円粒、軟質、高白度で精麦品質が優れる。早生で耐倒伏性が強い。香川県および愛媛県で奨励品種に採用予定。
- キーワード:整粒歩合、粒揃い、大粒、精麦品質、耐倒伏性
- 担当:近中四農研・作物開発部・裸麦育種研究室
- 連絡先:0877-62-0800
- 区分:近畿中国四国農業・作物生産
- 分類:技術・普及
背景・ねらい
平成4年に育成した「イチバンボシ」は早生、大粒、多収で精麦品質も良く、全国の裸麦栽培面積5000haの90%以上で作付けされている。精麦業界からは出回り品が「イチバンボシ」に限られており味噌等の二次加工業界の要望に答えるためには複数の品種構成が望ましく、精麦品質の優れた新たな品種の導入が強く求められている。
そこで、生産現場から要望の強い耐倒伏性を備え、早生、多収であって、精麦業界から要望されてる高精麦品質の新たな裸麦品種を育成する。
成果の内容・特徴
「マンネンボシ」は、昭和60年度、四国農業試験場において、倒伏に強く、軟質、高白度で精麦品質の良い「四国裸83号」を母に、早生、短強稈、 多収、縞萎縮病に強い「センボンハダカ」を父にして、人工交配を行い、その後代から育成した系統である。平成12年度の世代はF16である。
「イチバンボシ」と比較して、次の特徴をもつ。
- 六条渦性裸麦で、播性はIV、出穂期、成熟期とも1~2日程度遅い。
- 稈長は同等、穂長はやや短く、倒伏に強い。
- 稈はやや太く、穂数はやや少なく、芒は長い。
- 穂発芽性はやや難で、縞萎縮病にやや弱く、うどんこ病にやや弱く、赤かび病にはやや強い。
- 整粒歩合が高く、原麦および精麦の粒揃いが良い。
- 収量性は高く、多収であり、外観品質も良い。
- リットル重、千粒重は同程度に大きい。
- 大粒、やや円粒、軟質、高白度で精麦品質が良い。
成果の活用面・留意点
- 東海以西の平坦地に適する。
- 香川県および愛媛県では、平成13年秋播きから奨励品種に採用予定である。
- うどんこ病にやや弱いので、適期防除に努める。
具体的データ

その他
- 研究課題名:裸麦の早生耐倒伏良質多収品種の育成
- 予算区分:交付金、21世紀1系
- 研究期間:1985~2001年度
- 研究担当者:土井芳憲、藤田雅也、松中 仁、高山敏之、伊藤昌光、石川直幸、片山 正、神尾正義、
土門英司、杉浦 誠
- 発表論文等:1.品種登録申請 裸麦「マンネンボシ」
2.新品種命名登録 裸麦農林33号「マンネンボシ」