四国山間傾斜地域の棚田における結球レタスの夏秋期生産
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要約
四国山間傾斜地域の棚田では、トンネルマルチ栽培することにより6~8月および10~12月に結球レタスが収穫できる。長雨による作業遅延および稲作との作業競合を回避するために、それぞれ3月および7月に耕うん等の定植準備をする。
- キーワード:山間傾斜地域、レタス、棚田、作型
- 担当:近中四農研・総合研究部・総合研究第3チーム
- 連絡先:0877-63-8116
- 区分:近畿中国四国農業・野菜、共通基盤・総合研究
- 分類:技術・普及
背景・ねらい
四国山間傾斜地域では、高齢化や担い手不足により休耕棚田や遊休地が増加しており、農業活性化のための新たな作物の導入が模索されている。そこで、当地域において生産量が少なく、収穫まで日数が比較的短い結球レタスを導入し、標高400~600mの山間傾斜地域の気象条件や稲作との作業競合を回避した、夏秋期生産技術を確立する。
成果の内容・特徴
- 高知市場における結球レタスの入荷量は県外産が多く、特に夏秋期には県内産入荷の要望が高い。県外主力産地の端境期に当たる6月は、需要や価格が安定している。また10月以降は価格が上昇傾向である(図1)。
- 標高約400mの四国山間傾斜地では5~8月は急激に気温が上昇し、5~10月は降雨量が多い(図2)。
- トンネルマルチ栽培することにより、4月中旬~6月下旬定植では6~8月上旬に、9月上~下旬定植では10月下旬~12月中旬に良品が収穫できる(表1)。
- 堆肥散布、耕うん、畦立て、マルチ等の定植準備は、水稲栽培の繁忙期および降雨時期を避けて3月中旬および7月上~中旬に完了させることで、適期にレタスの定植作業ができる(図3)。
- 適用品種は、6月~7月上旬収穫では「しずか」、7月~8月収穫では「みずさわ」、10月~12月上旬収穫では「極早生シスコ」、11月中旬~12上旬収穫では「しずか」である(表1、図3)。
成果の活用面・留意点
- レタス栽培には排水性の良い圃場を選び、耕うん前にあらかじめ排水溝を作る。
- 適品種の選定は高知県嶺北地域の標高400mにおける結果であるため、適用する場合はそれぞれの地域で各作型ごとに検証する。
具体的データ



その他
- 研究課題名:地域管理と高付加価値生産を一体化した地域営農システムの確立
- 予算区分:傾斜地野菜・花き
- 研究期間:1999~2001年度
- 研究担当者:川嶋浩樹、野中瑞生、的場和弘、長崎裕司