中山間GISデータ汎用利用のためのデータ変換支援ツール

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要約

中山間地域等直接支払制度への対応のために府県で整備されたデジタルオルソ画像、標高データに対して、基となるGISソフトに応じた変換処理を適用することにより、データを汎用的に利用できる

  • キーワード:GIS、中山間地域、デジタルオルソ画像、標高データ
  • 担当:近中四農研・総合研究部・情報システム研究室
  • 連絡先:電話 084-923-4100、電子メール takahasi@affrc.go.jp
  • 区分:共通基盤・情報研究
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

多くの自治体で中山間地域等直接支払制度への対応のためのシステム(以下、中山間GIS)が導入され、対象地域の詳細なデジタルオルソ(正射投影)画像(解像度25cm)や標高データ(5mメッシュまたはTIN形式)の整備が進められた。しかし、各府県で異なる中山間GISが導入されたことから、一般向け市販GISソフト(以下、汎用GIS)や独自のプログラムでのデータ利用を困難にしている。そこで、近畿中国四国地域で整備されたデータの構造を調査し、汎用的な利用を容易にするためのデータ変換処理作業を支援するツールを開発する。

成果の内容・特徴

  • 対象とするデータは、近畿中国四国12府県で主として中山間地域等直接支払制度への対応のために整備されたデジタルオルソ画像および標高データである(表1)。
  • データは、基となるGISソフトとそのデータ形式によって7タイプに分けることができる。タイプ別に用意した変換処理プログラム(開発環境:Borland Delphi6)を適用することで、汎用利用に適したデータ形式への変換作業が効率的に行える(図1)。
  • デジタルオルソ画像を汎用的に利用する場合には、画像の位置座標を特定する必要がある。そのため、タイプ別に異なる位置座標情報を変換し、個々のデジタルオルソ画像に対応した座標ファイル形式に統一して出力する(図2)。
  • 標高データは、汎用GISソフト間で独自形式のデータ入出力がほとんどサポートされていない。そこで、データを利用しようとするGISソフトやプログラムで対応ができるように、データ構造を明らかにしたテキスト形式に変換して出力する(図3)。

成果の活用面・留意点

  • 変換処理プログラムは外部提供できる。また、変換したデータの外部提供も可能であるが、その場合には利用者側で当該府県からの使用許諾を得る必要がある。

具体的データ

表1 中山間GISデータの概要

 

図1 データ処理の流れ

 

図2 デジタルオルソ画像の座標ファイルの形式

図3 標高データのテキスト形式ファイル例

その他

  • 研究課題名:近畿中国地域地図情報のデータベース化と地形特性の把握
  • 予算区分:交付金
  • 研究期間:1998~2002年度
  • 研究担当者:高橋英博、大黒正道、寺元郁博