酸性デタージェント繊維(ADF)の迅速測定法
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要約
迅速測定法は常法のAD溶液煮沸に代えて圧力鍋による加熱を、乾燥機での乾燥に代え電子レンジを用いることにより処理時間が短縮できる。さらにアセトン洗浄と灰化を省略して全行程が1.5時間で完了する。
- キーワード:ウシ、家畜栄養、飼料、ADF、測定法
- 担当:近中四農研・畜産草地部・栄養生理研究室
- 連絡先:電話 0854-82-1670、電子メール NISHIGUCHI_Yasuhiko@affrc.go.jp
- 区分:近畿中国四国農業・畜産草地
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
ADFは飼料中の難分解性繊維分画であり、粗飼料評価の項目の一つであるとともに、その含量から可消化養分総量(TDN)の推定が可能である。自給粗飼料はTDNの変動が大きいため、迅速なADF評価法が求められる。
成果の内容・特徴
- ADF迅速測定法は煮沸に代え圧力鍋での加熱を、乾燥に電子レンジを用いる。また残さ中の灰分は推定値(粗飼料で5%、濃厚飼料は0%)を用いる(図1)。
- 常法はAD溶液での1時間煮沸が規定されているが、注水した圧力鍋で加熱すると約120℃まで加温されるため5分で終了する(図2)。
- アセトン洗浄を省略し、残さ中の灰分を推定値とすることで全行程が約1.5時間で完了する(図1)。
- 迅速法による分析結果は、ビール粕でやや過大に評価したが、穀類から低質粗飼料までの広範囲で常法と一致する(r=0.973)(図3)。
- 圧力鍋や電子レンジの使用により機材購入費が削減できる。
成果の活用面・留意点
- 飼料のTDN評価が迅速に行える。
- 灰分を推定値としているため、土砂等の混入した飼料はADFを過大評価する可能性がある。
- 圧力鍋は高温高圧になるため取り扱いに注意する。電子レンジによる乾燥は「弱」(200W以下)で行う方が安全である。
具体的データ
その他
- 研究課題名:迅速簡便な飼料用稲栄養評価法の確立
- 課題ID:06-01-06-*-28-03
- 予算区分:中山間耕畜連携
- 研究期間:2003~2006年度
- 研究担当者:西口靖彦、安藤貞、早坂貴代史