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植物根が貫通する防草シート上に培土を敷き、被覆植物をシートの上に育成した後に、シートとともに剥がして畦畔法面に張り付けることにより、省力的に被覆植物を導入でき、施工後の雑草の発生も防止できる。
畦畔法面の雑草管理は、自然植生では草刈りが必須であることから、労働の弱体化が進み、大規模な畦畔が存在する中山間地域ではマルチと被覆植物を組み合わせて導入し、長期的に雑草発生を防止する技術が開発されている。当技術では斜面での苗の移植作業の軽労化や植穴からの雑草発生の防止技術の開発が望まれている。
そこで、防草シートの機能を有効に活用して被覆植物のシート状の苗を圃場において育成し、畦畔法面に張り付ける省力的な施工技術を開発する。
40~60日程度で被覆植物が全面被覆する。その時点で防草シートとともに剥がして作業しやすい長さ(2~3m程度)に切り、除草剤で既存植生を枯らした畦畔法面に竹串等を用いて張り付ける(図1)。重量は1m2当たり7~8kgである。広島県府中市で実証試験を行ったときの張り付けに要する作業時間は、100m2当たり約13時間(3人で4.3時間)であり、資材費はm2当たり約300円である。