精密農業用機材に対応し共通利用できる圃場作業情報管理ソフト

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要約

圃場を任意の同一サイズに分割するメッシュ単位で、作業ナビゲータをはじめとする精密農業用機材が入出力する土壌や作物の状態、作業指示量などの各種データを、その仕様を定義することにより、統一的に取り扱うことができる情報管理ソフトである。

  • キーワード:精密農業、栽培管理、作業管理、作業ナビゲータ、情報管理
  • 担当:近中四農研・総合研究部・情報システム研究室
  • 連絡先:電話084-923-4100、電子メールwenarc-seika@naro.affrc.go.jp
  • 区分:近畿中国四国農業・情報研究、共通基盤・作業技術
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

精密農業に関する既往研究によって各種の精密農業用機材が開発されたが、これらの機材に供用可能な情報管理用ソフトは未完成で、実用化に向けた改良が必要である。
そこで、これまでの関連研究成果を踏まえ、精密農業用機材によりメッシュ単位で取得される土壌や作物生育等のセンシングデータ、それに基づいて作成されるメッシュ単位の可変作業指示量などを、共通的に取り扱うことのできる情報管理ソフトを開発する。

成果の内容・特徴

  • 本ソフトは、圃場を任意の同一サイズ矩形に分割するメッシュを単位として、GPSセンサなどによる位置取得機能とその位置での各種栽培管理情報センシング機能を備えた精密農業用機材が収集するデータを入力して情報管理するソフトである。本ソフトで作成された作業指示量データは位置情報に応じた可変処理作業機などの精密農業用機材で使用される(図1)。
  • 本ソフトは、精密農業用機材が入出力する各種のデータを、メッシュ毎の属性データとして管理する(図2)。その際、取り扱うデータの仕様を属性データタイプとして定義することにより、各種のデータを統一的に取り扱うことができる(図3)。
  • 属性データタイプ定義情報は、インターネット上に公開されている属性データタイプ共有サービス(http://www.aginfo.jp/LSDN/)を利用することにより、インターネットを介した共有・標準化が可能である(図3)。
  • 本ソフトの基本データ構造は、生研センターが開発した作業ナビゲータに準拠しており、作業ナビゲータが採用しているPFNavi形式ファイルと相互にデータ交換が可能である。また、Excel等とのGUI操作によるデータ交換、汎用GISソフトとのESRIシェイプ形式ファイルによるデータ交換が可能である(図1)。

成果の活用面・留意点

  • 精密農業用機材による栽培管理を行う際の情報管理や、精密農業用機材間、汎用GISソフト上に構築された栽培管理システムなどとのデータ交換に利用できる。
  • 本ソフトはフリーソフトとして、サポートサイト(http://www.aginfo.jp/PFU/)において、技術情報やドキュメント、最新版ダウンロードなどの情報提供を行っている。
  • 本ソフトは.NET Framework 2.0以降がインストールされたWindows2000、XP上で動作する。

具体的データ

図1 圃場作業情報管理ソフトの利用形態

 

図2 圃場作業情報管理ソフトの画面構成

 

図3 属性データタイプ定義情報の管理画面

 

その他

  • 研究課題名:精密畑作農業のための栽培管理用ソフトの開発
  • 課題ID:06-01-01-*-10-05
  • 予算区分:交付金プロ(精密畑作)
  • 研究期間:2003∼2007年度
  • 研究担当者:吉田智一、高橋英博、寺元郁博