※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
蜜源を設置したコマツナ栽培ハウスでは、株あたり0.05頭のコナガ幼虫に対して、少なくとも1:6.4の放飼比率でコナガサムライコマユバチの雌成虫を放飼すれば、増殖を抑制できる。
アブラナ科野菜類の重要害虫であるコナガは、薬剤抵抗性の獲得が早いため、農薬以外の防除手段の確立が期待されている。コナガサム ライコマユバチは、コナガ幼虫の内部寄生蜂であり、日本に広く分布する土着天敵である。本種の成虫は、無給餌では短命で産卵数が少ないため、生物的防除資 材として活用する際には給餌場所を用意する必要が指摘されている。そこで、蜜源を設置したコマツナ栽培ハウスにおいて、発生初期を想定した低密度のコナガ の増殖を抑制するために必要なコナガサムライコマユバチの放飼比率を明らかにする。
コナガの2齢幼虫111頭(0.05頭/株)に対し、コナガサムライコマユバチの既交尾雌成虫10頭(放飼比率1:11)あるいは5頭(放飼比率1:22)を放飼した場合、コナガの個体数は僅かに初期個体数を上回るが、無放飼区に比べ、顕著に抑制される(図2、図3)。