平面直角座標を持つGIS圃場地図を作成するソフト

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要約

大縮尺の地形図や空中写真の画像ファイルを元にして、平面直角座標付きのベクトル・ラスタ両形式の圃場地図を作成する。シェイプファイル出力により、GISマップを使用する各種の営農支援システムや汎用GISソフトで使用する圃場地図を作成できる。

  • キーワード:圃場地図、GIS、シェイプファイル、営農支援ツール、フリーソフト
  • 担当:近中四農研・生産支援システム研究近中四サブチーム
  • 連絡先:電話084-923-4100、電子メールwenarc-seika@naro.affrc.go.jp
  • 区分:近畿中国四国農業・営農、共通基盤・情報研究
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

「分散圃場における水稲作作業計画支援システム」(2002年度成果情報)をはじめ、圃場地図を用いた各種の営農支援システムがこれまでに公表されているが、多くの場合、比較的高額なGISソフトが必要であったり、無償の場合でも独自形式の地図であったりして、圃場地図データがそのシステム限りとなっている。冒頭のシステムについては圃場地図の作成をすべて外注するか、圃場地図の作成に別途GISソフトを購入する必要があり、それが普及の障害となっている。このように、圃場地図の作成と管理には手間とコストがかかるため、一度作成した圃場地図は、微修正しながら使い続けていくなどして、有効活用できることが望ましい。
そこで、圃場地図の作成手順を整理するとともに、市販の主要なGISソフトでサポートされているファイル形式の圃場地図を作成するフリーソフトを開発する。

成果の内容・特徴

  • 本ソフトは、自治体や土地改良事務所等から入手可能な大縮尺(1/5000程度)の地形図または国土地理院などから購入可能な空中写真などの画像ファイルを元にして、国内の地形図で採用されている平面直角座標系の地理座標情報を持つ圃場地図(ラスタ形式の背景図とベクトル形式の圃場図)を作成する際に使用する(図1)。
  • 本ソフトは、地形図や空中写真などの画像ファイルに平面直角座標系の地理座標情報を付加して背景図を作成するソフト「WldMaker(ワールドメーカ)」(図2)と、WldMakerで作成された背景図を元に一筆ずつ人手で圃場区画の外周頂点をポインティングして圃場図(ベクトル形式のポリゴンとその属性)を作成するソフト「ShapeMaker(シェイプメーカ)」(図3)から構成される。
  • 本ソフトが作成・出力する圃場地図は、ESRI社が定義するワールドファイル形式(背景図)とシェイプファイル形式(圃場図)を採用しており、市販の主要なGISソフトやフリーソフトのESRI社製ArcExplorerなどで、そのまま利用可能である。

成果の活用面・留意点

  • 一例として、GISマップとしてワールドファイル、シェイプファイルを使用する各種の営農支援システムの利用者が、その圃場地図作成の際に本ソフトを使用できる。
  • 本ソフトのShapeMakerは、圃場図作成用に特化しており、ポリゴンシェイプを作成・出力するが、他のシェイプ形式は作成できない。
  • 本ソフトはフリーソフトとしてhttp://www.aginfo.jp/PMS/以下よりダウンロードでき、.NET Framework 2.0以降がインストールされたWindows 2000、XP、Vista上で動作する。また、ESRI社のMapObjectsLT2ランタイム(ランタイムライセンスフリー、本ソフトのセットアップパッケージに同梱)を使用している。

具体的データ

図1 圃場地図作成の流れ

図2 WldMaker 画面例

図3 ShapeMaker 画面例

その他

  • 研究課題名:生産・流通IT化のための農業技術体系データベース及び意思決定支援システムの開発
  • 課題ID:222-b
  • 予算区分:高度化事業
  • 研究期間:2004~2006年度
  • 研究担当者:吉田智一、高橋英博