プレスリリース
「農機安全eラーニング」完成版を公開

- インターネットで効果的にクイズ形式で学習 -

情報公開日:2010年7月 6日 (火曜日)

ポイント

  • 農業機械の安全な使用方法について効果的に学習
  • 試行版として一部公開中のeラーニングについて完成版を公開
  • 新たにコンバインなどを追加し、4機種全7コンテンツに
  • 見やすさや使いやすさも改良、個人だけでなく講習会でも活用可

概要

(独)農研機構【理事長 堀江 武】生研センターでは、IT(情報技術)を利用し農業機械の安全使用について効果的に学習する手段として、東京大学と共同でeラーニングシステムの開発を行ってきました。平成21年度から、試作した一部を試行版としてホームページ「農作業安全情報センター」で公開していましたが、このたび、新たなコンテンツを追加し、システム全体の改良を行った完成版を公開しました。

インターネットを利用できるパソコンがあれば、いつでもだれでもマウス操作のみで簡単に学習できます。動画やイラスト等を活用し、クイズに答えながら農業機械の安全な使用方法について効果的に学習できるようになっています。

完成版では、乗用トラクター3コンテンツ(移動、耕うん作業、点検整備)、自脱コンバイン2コンテンツ(移動、作業・点検整備)、歩行用トラクター(全般)と刈払機(全般)各1コンテンツの計7コンテンツをご利用いただけます。

個人利用だけでなく、講習会の教材としての活用も期待されます。

予算

運営費交付金

共同機関

東京大学(研究協定)


詳細情報

開発の背景と経緯

交通死亡事故や建設業等における死亡事故が減少する中、農作業による死亡事故はなかなか減らない状況にあります。死亡事故の原因別では、農業機械作業に伴うものが7割を占めており、機械の安全な使用方法について正しい知識を身につけることは非常に重要となっています。これまで生研センターでは、ホームページ「農作業安全情報センター」においてインターネットによる情報発信を行ってきましたが、eラーニング(パソコンやインターネット等を利用した学習)のような学習手段はありませんでした。

そこで生研センターでは、インターネットやパソコンならではの利便性を活用して、効果的な安全学習を可能にするeラーニングシステム「農機安全eラーニング」の開発を進めてきました。平成21年度からは、開発中のシステムの一部(3コンテンツ)について、完成版に先立って試行版として公開し、利用者から得られた意見等をもとに、内容や見やすさ、使いやすさ等の改良を重ねてきました。また、新たに4コンテンツを作成、追加し、このたび、4機種7コンテンツの完成版を公開することとしました。

「農機安全eラーニング」の概要

  • インターネットを利用できるパソコンを用いて、マウス操作のみでいつでもだれでも学習することができます。面倒なユーザ登録などは必要ありません。(ブロードバンド環境を推奨、Adobe Flash Player 8以上が必要。WindowsおよびMac OSにおける各種ウェブブラウザ上で動作します。)
  • メインメニュー(図1、URL:http://www.naro.affrc.go.jp/org/brain/el/)で学習したい機種をクリックすると、機種別メニューが表示されます。希望のコンテンツを選ぶと別ウィンドウが開き、学習ストーリーがはじまります。途中でクイズがあり、解答しながら学習を進めます(図2)。クイズに正解して先へ進むと、CGを含む動画やイラスト、写真等でわかりやすく、くわしく解説されます。
  • 初心者でも理解できるように開発していますが、ベテランの方々の利用も想定して、より詳しい知識を提供するリンクを随所に配置しています。
  • ストーリーの最後に確認テスト(3問)があり、テスト終了後は結果と間違えた部分の解説が表示され、印刷もできます。全問正解すると、修了証書が表示されます。
  • 1コンテンツの学習時間の目安は15分程度です(個人差があります)。

今後の予定・期待

今後も、eラーニングの特性を生かし、統計データ等、随時最新、最適な内容に更新していく予定です。また、本システムはインターネットに接続した状態での利用を前提としていますが、安全講習会等でインターネットが使えない場所での利用の希望がある場合は、申出に応じてCDを提供しており(無償、要申請書、問い合わせ先:anzen-info@ml.affrc.go.jp)、講習会や授業の教材としての活用も期待されます。

農機安全eラーニング