プレスリリース
平成21年度安全鑑定結果について

情報公開日:2010年6月30日 (水曜日)

1.概要

  • 平成21年度分の安全鑑定適合型式数は、202型式(19機種)であった。
  • 機種別の内訳は、表のとおりであり、農用トラクター(乗用型)96型式、田植機4型式、コンバイン(自脱型)15型式、乾燥機(穀物用循環型)24型式などであった。
  • 表に掲げている「その他機種」に分類されたものは8機種9型式であった。
  • 年度別の安全鑑定適合型式数は表のとおりである。

表 年度別安全鑑定適合型式数

2.主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)

安全鑑定適合機は、8社96型式(安全キャブ仕様のみは36型式、安全フレーム仕様のみは16型式)、搭載機関の定格時の出力は7.7~239kW(10.5~325PS)であった。73.6kW(100PS)以上の型式は10%程度であり、20年度(同55%程度)の傾向と大きく異なった。

走行形式は、車輪式4輪駆動が大多数(83型式)であったが、半装軌式のものが10型式(機関出力29.4~55.2kW(40.0~75.1PS))、装軌式は3型式(同40.5~92.8kW(55.1~126.2PS))であり、半装軌式・装軌式ともに全て安全キャブ仕様であった。また、運転席の防振機構装備率は安全キャブ仕様で80型式(100%)、安全フレーム仕様で47型式(一部のシリーズ以外、78%)であった。

安全装備以外の機能では、座席について、左右にある程度回動するものがあり、より楽な作業姿勢をとれるような工夫がされていた。液晶パネルについては、画面切り替えによる表示内容バリエーションの大幅化や、画面の大型化による表示可能文字数の増加などが図られていた。また、各種レバー、ボタン、スイッチ等の配置については、運転席右側のアームレストやジョイスティック等に集中させて、操作性の向上を図ったものが見られた。

目新しい機能としては、負荷が大きくない作業において、エンジン回転数、PTO変速、作業速度等を適切に調整することで、低燃費状態で作業できていることを知らせるランプを設けた機種が一部で出てきた。

農用トラクター(歩行型)

安全鑑定適合機は、3社7型式、呼称出力が1.5~4.0kW(2.1~5.5PS)、2型式がけん引駆動兼用型、5型式が管理専用機であった。平成22年度より、後進時の事故低減に向け、歩行運転時の後進最高速度が、原則1.8km/hまでとなったが、管理専用機5型式がこの基準に適合していた。

近年、女性や高齢者、ホビーユーザーなどが使用することを考慮し、操作性や安全性の更なる向上が図られてきているが、これらの例として、後部ロータリカバーのプレートを利用して畝立て可能な簡易畝立てマットを備えたもの、HSTで前後進無段変速が可能なものがあった。

田植機

安全鑑定適合機は、全て乗用型で、1型式がポット苗、他はマット苗用のもので、植付機構は全て回転式であった。

機関は8条、10条植えでディーゼルのもの、旋回時片ブレーキ操作の不要なもの、HSTレバーで前後進無段変速が可能なもの、植付部を交換して直播や除草、溝切り作業をできるようにしたもの、疎植栽培仕様のあるものが見られた。また、枕地旋回時にできる車輪跡を整地するロータを装備する機種が多くなった。

スピードスプレヤー

安全鑑定適合機は、機関出力が11.6~33.9kW(16~46PS)であり、棚作り用又は立木・棚作り兼用の自走式で、操舵形式には4輪操舵のものも見られ、タンク容量は500~1000Lであった。

コンバイン(自脱型)

安全鑑定では、初めて7条刈が適合し、2~7条刈、機関出力14.7~88.3kW(20~120PS)の幅広い適合機があった。 適合機の多くは、現行排出ガス規制に対応した新機関を搭載しており、電子制御により回転速度の設定が自動的に行われる機種が増加した。また、操作性に関しては、各種作業クラッチを電動化し、操作力の低減および配置等を改善した機種が多くみられ、これらの操作部をレバーからボタンとした機種も増えた。

乾燥機(穀物用循環型)

最大呼称張込量2.0~8.2tの幅広い適合機があった。

これら適合機では、設置面積の縮小または同一寸法での張込量増大により、設置面積当たりの処理量を増大させた機種が多かった。操作性に関しては、制御装置表示部の液晶化、大型化により、表示される情報量や視認性を改善した機種が多かった他、タッチパネルを採用して操作性を改善した機種もあった。