プレスリリース
新たに18の研究を始めます

情報公開日:2010年4月13日 (火曜日)

概 要

(独)農研機構【理事長 堀江 武】生研センターでは、革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、食の安全・安心、作業の省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っております。

このたび、平成22年度から、新たに次の18課題に取組むこととしましたのでご報告します。

新たに研究を開始する課題一覧

  • 巻き込まれ事故防止のための作業者判別技術の開発
  • 概要
    自脱コンバインのフィードチェーンやフォレージハーベスタの収穫部などでの巻き込まれ等の事故防止のため、作物等の供給物と作業者等を判別する技術を開発します。

  • 農業法人およびコントラクタ等の農作業安全に関する実態調査研究
  • 概要
    従業員を雇用する組織形態の農業法人やコントラクタを対象に、農作業安全に対する意識や問題点、要望、リスク管理の現状等を調査し、安全装備や機能の開発に活用します。

  • 農業機械のリスク低減のための基礎研究
  • 概要
    トラクタやコンバインなどの農業機械のPTO軸やチェンなど個別部位の安全性だけでなく、トータルなリスク低減を図るため、国際安全規格や農業現場の実態を踏まえて課題を抽出し、具体的なリスク低減の実現に向けた機械及び要素技術の開発につなげるための基礎研究を行います。

  • 農用車両の電動化に関する基礎研究
  • 概要
    電気を動力源としたPTO軸(動力出力軸)を有する管理作業機械などの小型農用車両を試作し、エンジンで駆動されていた農用車両を電動化する際の可能性と問題点を明らかにします。

  • 田植機植付部電動化の研究
  • 概要
    これまで走行部(車体)と密接な関係にあり、セットで開発されていた田植機の植付部(苗載台を含む)を、走行部の動力から独立して駆動することで、動力伝達機構を簡素化し機体を軽量化するとともに、石油への依存度を低くして地球環境の保全に寄与するために、田植機の植付部の電動化について研究を行います。

  • 中山間地域農業における自然エネルギーの利活用に関する調査
  • 概要
    中山間地域の耕作放棄地や傾斜地の法面、用・排水等を活用して、太陽光発電や少水力などの自然エネルギーによる発電を行った場合の発電量の調査および、発電における課題、問題点の抽出を行います。また、発電された電気エネルギーを動力とした中山間地域用の農業機械及びその機械を用いた作業形態について検討・提案を行います。

  • 自動直線作業システムの開発
  • 概要
    2009年度までに開発を行った「農用車両用アドオン型直進運転アシスト装置」を基礎に、最初の行程はほ場の端に設置した点滅するターゲットに向かって自動直進作業を行い、それ以降の行程では、例えばロータリ耕の境界など前行程の作業跡やマーカ跡を自動追従してほ場全体にわたって高精度な直進作業を行うことができるシステムを開発します。

  • 水田輪作ほ場の乾田均平機の高精度化に関する研究
  • 概要
    水田輪作における湿害回避(畑作時)や直播時の苗立悪化防止のために、運土用の排土板の高さ設定が容易で、最大高低差を数センチ程度にできるトラクタ搭載式の均平機を目標に、各部の構造及び機能、機械利用の効果について研究を行います。

  • 高速型湛水直播機の開発
  • 概要
    21緊プロで開発した高精度水稲湛水条播機をベースとし、1.5m/s以上の高速作業においても安定した作溝、覆土性能による土中播種ができ、点播にも対応する高速作業対応湛水直播機を開発します。

  • 中山間地用水田栽培管理ビークルの開発
  • 概要
    中山間地域における水稲作の乗用機械化一貫体系の確立、新規就農時の低コスト参入支援を目的に、作業機の付け替えにより、耕うん、代かき、田植え、防除、除草等の作業に使用可能な小型の乗用栽培管理作業車を開発します。

  • ブームスプレーヤのブーム高さ自動制御に関する研究
  • 概要
    トラクタや乗用管理機に搭載して10~25m幅で薬液散布を行うブームスプレーヤについて、高速での作業時にも揺れが少なく挙動が安定したブーム構造、ブームの支持装置、振動制御機構を組み込んだ散布装置等の開発を行い、作業能率向上、散布精度の向上、ドリフト抑制効果、労働負担軽減、安全性向上などの効果を検証します。

  • ヤガ類超音波防除装置の開発
  • 概要
    平成21年度までの研究で、ヤガ類の果樹園等への侵入を阻害する超音波防除装置を制作し、モモ果樹園におけるヤガ類の防除効果を確認しました。その成果をもとに耐久性等を改善した超音波発振装置を制作し、実証試験を行って実用化への展開をはかります。

  • 施設内における静電防除ロボット技術の開発
  • 概要
    従来のハウス用無人防除機と同等の作業能率を維持し、薬液の付着を20%向上させることを目標として、ハウス内の自律走行技術、エアアシスト技術および外部電界方式等を利用した静電散布技術を開発します。

  • タイヤ等に付着した土壌による路面汚染軽減技術の開発
  • 概要
    農業機械のタイヤ等に付着した土壌による舗装路面の汚染を防止するために、除泥方法や除泥装置等の要素技術を開発します。

  • 飼料イネと長大作物兼用収穫のための次世代アタッチメントの開発
  • 概要
    汎用型飼料収穫機に装着することを念頭に置き、軽量・小型で、草丈1.5mを超す長稈品種を含む飼料イネや、草丈3mを超すトウモロコシなどの長大作物を青刈り収穫できる株元切断・搬送機構を研究し、次世代型アタッチメントを開発します。

  • 乳牛の採食反応検知システムの開発
  • 概要
    個々の乳牛の健康状態を把握するために、1日に多回数自動給餌する給餌機を備えた牧場において、給餌機に搭載したセンサ等により採食反応や残飼状態を検知し、それらのデータに基づく乳牛の体調モニター情報等を酪農家に通知するシステムを開発します。

  • 先進的飼養管理技術の導入効果調査
  • 概要
    平成21年度までに牛体情報モニタリングシステム及び乳頭清拭装置が実用化されました。これら先進的飼養管理技術の導入効果や地域適応性等を広く北海道、関東、西日本各地の農家において調査します。

  • 微細気泡による家畜尿汚水への酸素供給技術の開発
  • 概要
    繋留式牛舎用糞尿除去装置、バーンクリーナに設置された尿溝から排出された水分96%程度の尿汚水を対象とし、易分解性有機物等を除去して悪臭発生の低減化を図るため、微細気泡を活用した効率的な酸素供給技術を開発します。