プレスリリース
平成22年度安全鑑定結果について

情報公開日:2011年6月 7日 (火曜日)

概要

  • 平成22年度分の安全鑑定適合型式数は、160型式(13機種)であった。
  • 機種別の内訳は、表のとおり、農用トラクター(乗用型)72型式、コンバイン(自脱型)10型式、乾燥機(穀物用循環型)40型式などであった。
  • 表に掲げている「その他機種」に分類されたものは10機種11型式であった。
  • 年度別の安全鑑定適合型式数は表のとおりである(抜粋)。

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主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)
22年度の安全鑑定適合機は、5社72型式(安全キャブ仕様のみは45型式、安全フレーム仕様のみは5型式)で、その搭載機関の定格時の出力は10~263kW(14~358PS)、排気量は1.115~7.145Lと幅広かった。機関出力74kW(100PS)以上の型式の全体に占める割合は30%程度であり、10%程度であった21年度よりも大きく増加した。
走行形式は、車輪式が56型式、半装軌式が16型式で、半装軌式は全体の約22%を占めた(21年度は10%程度)。装軌式については22年度の受験はなかった。
また、近年の石油系燃料の価格高騰や供給不足等を受けて、省エネに対する関心がますます高まる中で、省エネに寄与する機能を持った機種(燃費が良好な状態で作業できていることを知らせるランプ)が21年度から販売されているが、22年度には、エンジンに余裕がある場合に省エネ運転が可能であることを知らせるランプを設けた機種や、出力優先モードと燃費優先モードとを切り替えることのできる機種も販売されているところである。それらは、毎時燃費、距離燃費等の数値表示やバー表示なども可能で、燃費変動をユーザーが視覚的に認識しやすくなるような工夫がなされていた。また、輸入機の中には、作業幅等の入力を行えば単位面積当り燃費の画面表示や記録を行える機種もあった。
農用トラクター(歩行型)
平成22年度の安全鑑定適合機は、2社4型式、呼称出力が1.5~6.8kW(2.0~9.3PS)、2型式が駆動型、2型式が管理専用機である。平成22年度から、後進時の事故低減に向け、歩行運転時の後進最高速度が、原則1.8km/hまでとなり、全型式がこの基準に適合することになった。近年、女性や高齢者、ホビー農業向け一般ユーザーなどが使用することを考慮し、取扱性や安全性の更なる向上が図られてきているが、これらの例として、尾輪を取り付けた支柱(ステー)を、上下に調節することで畝立てに利用するようにしたものや、通常のループ式形状の手を離せばクラッチが切れる「デッドマン式クラッチ」を、身体がハンドルと障害物に挟まれた状態でも機能しやすい構造にしたものがあった。
スピードスプレヤー
22年度の安全鑑定適合機は3型式で、機関出力が16.1~39.9kW(22~54PS)であり、立木用又は立木・棚作り兼用の自走式であって、走行形式は4輪駆動、操舵形式では4輪操舵のものが2型式あり、薬液タンク容量は500~1000Lであった。なお、キャビン付きは後進時後方確認モニターを装備していた。
動力噴霧機(走行式)
22年度の安全鑑定適合機は、機関出力が151.5kW{206PS}でスライド式ブーム散布幅33m、薬液タンク容量5000又は5500Lのキャビン付き自走式が1型式、けん引式は4型式で、スライド式又は折りたたみ式のブームで散布幅が26.4~33m、薬液タンク容量は5000~6000Lであった。適応トラクターは薬液タンク容量の大きさにもよるが44.1~55.2kW{60~70PS}であった。
コンバイン(自脱型)
平成22年度の安全鑑定では、2~6条刈、機関出力11.0~88.3kW{15~120PS}の幅広い適合機があった。これらでは電子制御により機関回転速度の設定が自動的に行われる型式が多かった。脱穀部に関しては、送塵量自動調節を採用した機種が初めて適合した他、選別部では、チャフシーブ(ワラくずをふるい分ける部分)の目詰まりを防止するためのかき取り装置(シーブスクレーパ)等の新機構を採用した型式もあった。操作系に関しては、刈取作業時に必要な操作・設定をボタン一つで行える型式があった。その一方で、自動化装置等を最小限にし、コストの低減を図った型式も見られた。

コンバイン(普通型)
傾斜地において、ヘッダおよび走行部が傾斜した状態であっても、車体を水平に維持し、作業を可能とするヒルサイド機能を有した適合機があった。一方、国産機で現行オフロード排出ガス規制に適合した型式があった。また、国産機では、特に大豆収穫作業への適応性向上のため、ラジエター、キャビンの防塵対策等が施されていた。
乾燥機(穀物用循環型)
最大呼称張込量0.9~10tの幅広い適合機があった。これらでは、制御装置表示部の液晶化、大型化により、表示される情報量や視認性を改善した機種が多かった。さらに、設置に必要なスペースの縮小や、使用後の機内残留量の低減等の改善が行われていた。また、稲・麦の他、一部の部品を交換することで大豆・そばにも使用できる型式もあった。
その他機種
・葉菜類収穫機
本機は、加工用のホウレンソウ、大麦若葉、明日葉を収穫するゴムクローラ式の直流24Vモータ駆動の電動歩行型機械であり、収穫された葉菜類はコンテナに収容される。