プレスリリース
新規課題19課題を新たにスタート!

情報公開日:2012年4月17日 (火曜日)

概要

農研機構 生研センターでは、革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、食の安全・安心、省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っております。このたび、新規課題として、新たに次の19課題を開始することとしましたのでご報告します。

新たに研究を開始する課題一覧

第4次農業機械等緊急開発事業

1.高精度直線作業アシスト装置の開発

[目的] トラクタに後付け可能で、ほ場での直進作業を自動制御する装置の開発により、未熟練者でも高精度な作業を可能とし、オペレータの負担軽減や雇用経費の削減を図る。

2.中山間地用水田栽培管理ビークルとその作業機の開発

[目的] 小区画ほ場の耕うんから立毛中の管理作業までを行うことができる水田用栽培管理ビークルならびにその作業機の開発により、作業の軽労化を図り、中山間地における耕作放棄地の増加を抑制する。

3.エアアシスト式静電防除機の開発

[目的] 栽培施設内において、手散布並みの防除効果が得られる無人防除機を開発することにより、農薬使用量の大幅減および、散布作業の無人化による軽労化や農薬被曝の回避を図る。

4.チャの直掛け栽培用被覆資材の被覆・除去装置の開発

[目的] チャを遮光資材で直接被覆する栽培法が近年増加しているが、手作業による被覆・除去作業が重労働であるため、小型の被覆作業アタッチメントを開発し、省力軽作業化と収益性向上を図る。

5.乗用管理機等に搭載する水田用除草装置の開発

[目的] 現行の機械除草機は、歩行型では作業負担、乗用型では軟弱ほ場での作業性に問題があるため、小型軽量タイプのものを開発することにより、除草効果の向上と作業負担の軽減を図る。

 基礎基盤研究 

1.トマト接ぎ木苗大量生産技術の開発

[目的] 接ぎ木作業の省力化・自動化のニーズが高まっているトマト接ぎ木苗について、接ぎ木装置開発の現状や問題点を抽出し、効果的な接ぎ木方法の検討を行った上で、大量生産技術を開発する。

2.小型汎用コンバインの適応性拡大に関する研究

[目的] 今年市販化された小型汎用コンバインの、ソバ・ナタネへの適応性を高めるため、作業精度や能率についてこれら作物に対する最適作業条件を明確にし、対応部品を開発する。

3.自脱コンバインにおける機内清掃の簡易な構造に関する研究

[目的] コンバインの品種切り替え時の機内清掃には、一般的に多大な労力を要するため、コンバイン掃除口についての構造検討や試作改良を行い、機内清掃の簡易な構造に関する設計指針等を得る。

4.小型軽量で取扱性に優れた歩行型幹周草刈機の開発

[目的] 果樹栽培の中で、特に多くの労力を要する幹周草刈りについて、既存のオフセット型草刈機より離れた位置から作業が可能な小型歩行式幹周草刈機を開発する。

5.果樹の袋掛け作業省力・軽労化技術の開発

[目的] 短期間で行う必要のある果樹の袋掛け作業は、重要な作業であるが現状は全て手作業であり、多くの労力を必要とする。そこで作業時間の大幅短縮及び軽労化に貢献できる技術を開発する。

6.リンゴ摘果用器具の開発

[目的] リンゴの摘果作業は手作業であり、なおかつその作業姿勢から過重な労働負担となっている。そこで、高所作業台車上などで作業者が利用可能な、携帯用の摘果用器具を開発する。

7.石礫除去機による野良イモ防除技術の開発

[目的] 昨年度に開発が終了した高速石礫除去機を、現在北海道で問題となっている野良イモ(雑草化したイモ)の除去作業への適用を試みて、その利用場面の拡大を図る。

8.イチゴ植物工場を核とする群落生育診断技術の開発

[目的] 開発が終了したイチゴの高密植移動栽培装置について、イチゴ収穫ロボットとドッキングさせた上で、生育情報をより高精度に取得することにより、精密な肥培管理と高品質イチゴの安定生産を目指す。

9.タマネギ乾燥装置の開発

[目的] 府県において、収穫シーズンが梅雨時期にあたるタマネギは、現状では乾燥に多くの労力を必要とする。そのためコンテナ収容したタマネギを通風乾燥する装置を開発し、乾燥作業の省力化を図る。

10.可変径式TMR成形密封装置の適応性拡大

[目的] これまで開発したTMR成形密封装置は、特に現地で混合調製される一部の飼料で対応が難しいものがあったため、現地での成形材料への適応性を調査し、必要に応じて改良を加えるなど適応性拡大を図る。

11.自脱コンバインにおける運転・操作装置の評価に関する基礎的研究

[目的] 現在の自脱コンバインについては、操作が煩雑であるとの改善要求がある。そこで操向および昇降装置を対象に、国際規格ISOの概念を利用した操作性評価を試み、その有効性を検討する。

12.中山間地域における小型水力発電利活用システムの研究

[目的] 傾斜の多い日本の中山間地域での活用を前提に、せき水車を活用した高効率な小型水力発電利活用システムの研究を行い、小型電動農機用電源等への適用も含めた自然エネルギーの利用拡大を図る。

13.未利用水産資源を活用するバイオ燃料・食素材の供給技術の開発

[目的] 筑波大学によるプロジェクト研究の一環として、水産加工残渣から生産される魚油ベースの燃料を農用トラクタエンジンに供試して、燃焼特性や出力特性等を調査し、ディーゼル燃料としての適用性を評価する。

14. 農業機械等による事故の詳細調査・分析手法の研究

[目的] 的を射た安全対策を立てるには農作業事故の発生要因の究明が不可欠である。そこで、自治体等と連携し詳細調査を行い、乗用トラクタと刈払機を主とした分析手法を確立し、他機種等への適用拡大を図る。