プレスリリース
新規課題27課題を新たにスタート!

情報公開日:2011年5月17日 (火曜日)

概要

農研機構【理事長 堀江 武】生研センターでは、革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、食の安全・安心、省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っております。
このたび、新規課題として、新たに次の27課題を開始することとしましたのでご報告します。

新たに研究を開始する課題一覧

第4次農業機械等緊急開発事

  1. 1.ブームスプレーヤのブーム振動制御装置の開発
    【目的】
    振動・揺動による本機の破損や、薬剤の不均一散布などを招く既存機に対し、上下・前後の振動制御装置を付加することで、破損を回避し、薬剤の均一散布や作業効率の向上を図る。

  2. 2.高能率水稲等種子消毒装置の開発
    【目的】
    現行の温湯消毒は、脱水乾燥など後処理が欠かせず、施設も大がかりであることから、過熱水蒸気を利用して後処理を必要としない高能率な装置を開発し、従来型に対して3割の運用コスト削減を目指す。

  3. 3.ラッカセイ収穫機の開発
    【目的】
    現行では手作業で行われるラッカセイの掘取・反転作業を機械化することにより、軽作業化と省力化を図る。さらに既存技術の活用や小型化により低コスト化を目指す。

  4. 4.いちごパック詰めロボットの開発
    【目的】
    イチゴパッケージセンターにおける平詰め容器へのパック詰め作業をロボット化することにより、大幅な省力化ならびに高付加価値化を図る。

  5. 5.微生物環境制御型脱臭システムの開発
    【目的】
    微生物環境の最適化により、脱臭性能を安定化・脱臭槽を小型ユニット化させ、設置コストの大幅減を図り、個別農家への導入を促進する。

  6. 6.乗用型トラクターの片ブレーキ防止装置の開発
    【目的】
    乗用トラクターの転落・転倒による死亡事故の原因の一つとして左右ブレーキペダルの非連結が挙げられる。そこで、この種の事故を未然に防止するための装置を開発する。

  7. 7.自脱コンバインの手こぎ部の緊急即時停止装置の開発
    【目的】
    自脱コンバインのフィードチェーン緊急停止装置が作動し停止するまでに、巻き込まれた手がこぎ胴に達する危険性があることから、フィードチェーンが即座に停止する装置を開発する。

基礎基盤研

  1. 1.作業者装着型農作業アシスト装置の開発
    【目的】
    2010年度までに開発したアシスト手法を基に、長時間にわたる農作業特有の不良姿勢に対応した実用的な装着型アシスト装置の開発を行い、作業者の肉体的負担の低減を図る。

  2. 2.携帯型植物水分情報測定装置の開発
    【目的】
    カンキツなどの園地において非破壊かつ迅速に樹体の水分状態を判別できる簡便な装置を開発することにより、正確な水管理を行い、高糖度果実生産による収益性の向上を目指す。

  3. 3.作物生育観測装置のリモセン技術への適応性拡大に関する研究
    【目的】
    既に開発済みである2方式の作物生育情報測定装置について、共通化を進め、装置の低価格化・簡素化を行うとともに、機能向上を推進することにより、リモセン技術への適応性拡大を図る。

  4. 4.簡素化・省エネルギー型コンバインの開発
    【目的】
    くし状のこぎ歯を用いた脱穀機構を備えた省エネ型コンバインの開発により、複雑な構造を有する自脱コンバインの脱穀選別部の基本構造を簡素化し、燃料費及び生産資材費の大幅低減を図る。

  5. 5.自脱コンバインにおける混入防止のための構造調査
    【目的】
    コンバインの共用による新規需要米と主食用米の混入を防止するため、種々のコンバインについて、掃除口や蓋をはじめとする内部構造等を調査し、混入防止に適した自脱コンバイン構造の検討を行う。

  6. 6.触媒加熱方式遠赤外線放射体による穀物乾燥の研究
    【目的】
    遠赤外線放射熱を作り出す新たな遠赤外線放射機構を検討するとともに、廃熱も乾燥に利用する機構の乾燥技術を開発し、更なる省エネ化を目指す。

  7. 7.高精度てん菜播種機の適応性拡大
    【目的】
    第4次緊プロで開発した高精度てん菜播種機の適応性の拡大を図るため、2010年度に試作したクラスト(土膜)対応鎮圧輪の性能を把握するとともに、開発機の豆類播種への適応性を調査する。

  8. 8.キャベツの高能率収穫技術の開発
    【目的】
    加工・業務用キャベツの新規導入や規模拡大に合わせ、収穫精度がよい新方式の収穫技術を検討し、収穫の機械化・高能率化を図る。また、雪中貯蔵キャベツ収穫機の現地適応性も調査する。

  9. 9.ナガイモの種いも切断・防除技術の開発
    【目的】
    現行では手作業による、播種前の種いも切断行程について、切断調製作業の自動化を目的とした基礎技術を検討し、労働時間の大幅短縮を目指す。また、防除対策についても検討する。

  10. 10.ニラの下葉除去機構の開発
    【目的
    労働時間の約半分を占める調製作業を効率的に行うため、茎葉が軟弱なニラにも対応できる下葉除去機構を開発する。

  11. 11.粗飼料の含水率簡易測定技術の開発
    【目的】
    大家畜の飼養管理に欠かせない粗飼料の含水率を、短時間に測定範囲30~80%程度で測定する技術を開発する。

  12. 12.繋ぎ飼い牛舎用牛床清掃機構の開発
    【目的】
    繋ぎ飼い牛舎の牛床と通路に付着したふん等を、乳牛の起立状態を検知して、バーンクリーナに掻き落とす牛床清掃機構を開発し、乳房炎等の感染症の予防を図る。

  13. 13.農業機械における安全標識・操作表示の認識性向上と共通化
    【目的】
    農業機械の安全標識や操作表示を、より多くの人が直感的・共通的に認識できるものとするため、現状の安全標識等の分類・整理および見易さや認識性の評価・判定を行い、改善案を検討・提案する。

  14. 14.トラクター作業における燃料消費量等の評価手法に関する研究
    【目的】
    種々の条件下での燃料消費量を、再現性の高い台上負荷試験や舗装路面上での走行・旋回試験に置き換えて再現・計測し、トラクターの省エネ性能を比較・評価する手法の確立を行う。

  15. 15.ブタンガスを燃料とする農業機械の安全性に関する研究
    【目的】
    ブタンガス等液化石油ガス関係基準や道路運送車両保安基準などの農業機械安全鑑定への適用可能性を調査・検討し、ブタンガス燃料の農業機械への適用にあたっての安全要件を確立する。

  16. 16.乾燥作業における所要エネルギーの評価手法に関する研究
    【目的】
    各種もみ水分・気象条件下で乾燥試験を実施することにより、所要エネルギーの補正手法と適用範囲を明らかにし、循環型乾燥機の乾燥に要するエネルギーの測定・評価手法を確立する。

  17. 17.小型籾殻燃焼炉による熱風発生装置の開発
    【目的】
    穀物乾燥や温室暖房への適用を前提に、籾殻の燃焼ガスを浄化し、直接利用することで熱効率を向上させると同時に、熱交換器を省くことで装置容積を現状の1/2以下にした籾殻燃焼炉を開発する。

  18. 18.イチゴ収穫ロボットの適応性拡大に関する研究
    【目的】
    緊プロで開発したイチゴ収穫ロボットの稼働可能日数や品種適応性の拡大を図るとともに、イチゴの循環式移動栽培装置と組み合わせた自動収穫の可能性を実証し、ロボット収穫技術の普及拡大を目指す。

  19. 19.稲麦大豆作等土地利用型農業における自動農作業体系化技術の開発
    【目的】
    農林水産省委託プロジェクトが目指すロボット農作業一環体系のうち、水田作を中心とする実作業に適応したロボットトラクターの開発・改良および実証試験を行い、実作業レベルで運用可能なロボット作業体系の確立を図る。

  20. 20.乗用トラクターおよび刈払機事故の詳細調査・分析手法の研究
    【目的】
    乗用トラクターと刈払機の事故を対象に、詳細調査及び分析の手法を確立し、事故発生原因や作業環境等との因果関係を明らかにし、農作業安全啓発運動や農業機械の安全性向上に資する。