ポイント
- 普段は常に左右ブレーキが連結、必要なときだけ片ブレーキ操作が可能
- 片ブレーキ操作のための連結解除は、右足解除方式と左足解除方式を検討
- 乗用型トラクターの転落転倒事故を低減するための対策として期待
概要
乗用型トラクターの転落転倒死亡事故は農機事故の約3割を占め、その原因の一つとして左右ブレーキペダルが連結されていない状態での誤操作が挙げられています。非連結状態で片方だけのペダルで急ブレーキを踏むと思わぬ急旋回が生じ、転落転倒の重大死傷事故を引き起こす場合があります。そこで、農研機構 生研センターでは、国内のトラクター製造企業5社と共同で、この種の事故を未然に防止するための装置の開発に取り組んでいます。
本装置は、これまでは移動の時だけ連結させていた片ブレーキについて、発想を逆転させ、耕うん作業の旋回時などで片ブレーキ1)操作が必要なときだけ、簡単な操作でブレーキ連結を解除して片ブレーキ操作を行うものであり、通常は連結した状態となります。現在、いくつかの方式について試験を重ねておりますが、これまでにない方式であるため、研究期間中から実際にトラクターを使う農業者の方々の意見も取り入れながら絞り込んでいく予定であり、平成26年度以降には各参画企業から発表される新車に順次搭載して、大きなトラクターから小さなトラクターまで展開していきたいと考えております。
関連情報
予算:第4次農業機械等緊急開発事業(第4次緊プロ事業)
参画企業:株式会社IHIシバウラ、井関農機株式会社、株式会社クボタ、三菱農機株式会社、ヤンマー株式会社