プレスリリース
新規課題13課題を新たにスタート!

情報公開日:2013年4月16日 (火曜日)

概要

農研機構 生研センターでは、革新的農業機械・技術の研究開発を通じて、生産性の向上、食の安全・安心、省力化、環境負荷の低減や農作業安全等の推進を図っております。このたび、新規課題として、新たに次の13課題を開始することとしましたのでご報告します。なお、平成25年度の緊プロ新規課題はありません。

新たに研究を開始する課題一覧

(1)バイオマス由来素材による育苗培地固化技術の開発

[目的] 有機認証が得られない石油由来ではなく、環境配慮性の高いバイオマス由来素材を用い、根鉢の形成が容易な育苗培地を開発する。

(2)自脱コンバインにおける巻き込まれ事故の未然防止技術の開発

[目的] 巻き込まれ事故が後を絶たない自脱コンバインの手こぎ作業について、供給中の作物と作業者の手などを非接触で判別し事故を未然に防止する技術を開発する。

(3)大豆用畝立て播種機の高速化技術の開発

[目的] 現行のロータリ式畝立て機構による大豆の播種は、作業速度が遅く土壌を練ることも多いため、牽引式畝立て機構ならびに播種機構を開発し、適期の播種作業と50%以上の高速化を図る。

(4)超音波を利用した農作物の病害防除装置に関する研究

[目的] これまで実施した超音波を利用した作物の病害抑制に関する研究成果をもとに、病害防除に利用可能な超音波病害防除装置の研究開発を行い、本装置が利用可能な病害や、技術の実用化について検討する。

(5)野菜用の高速局所施肥機の開発

[目的] 傾斜地ほ場においてトラクタ等がスリップすることにより施肥量がバラつく問題に対し、施肥量の補正を行う機能を付与すると共に、大規模化が進む現地からの要望を踏まえ、従来機より作業速度の向上を図った局所施肥機の開発を行う。

(6)加工用ハクサイ収穫技術の開発

[目的] ハクサイの加工用需要は50%を超えているが、手作業による収穫には多くの労力を要している。そこで、作業の省力・低コスト化のため、キャベツ収穫機をベースに加工用ハクサイ収穫技術を開発する。

(7)軟弱野菜の調量機構の開発

[目的] 軟弱葉菜類は、小規模経営が多く、調量・包装作業の多くは未だに手作業に頼っている事が多い。そこで、生産農家の負担軽減や作業能率向上のため、適正な質量に調量できる調量機構を開発する。

(8)高速汎用播種機の開発

[目的] 農業機械コストの低減には、年間の作業面積を拡大することが重要である。そこで、時速6~8kmの高速作業が可能で、稲、麦、大豆の他、トウモロコシ、ソルガム等幅広い作物に適応できる播種機を開発する。

(9)個別給餌を行う繋ぎ飼い飼養体系における残飼料検出技術の開発

[目的] 乳牛の採食が減少する主な要因は、暑さ等によるものや疾病の予兆などがある。そこで、採食量の低下を早期に把握し、給餌の調整や疾病の治療等適切な対応を可能とするために、自動給餌機による個別給餌を対象として、残飼量を検出する技術を開発する。

(10)農用エンジン評価試験の高度化に関する研究

[目的] 農用エンジン、トラクタ等の評価試験に際しての試験環境条件が出力・燃費・排ガス等に及ぼす影響を明らかにし、より高度性能試験が実施できるよう試験手法や試験基準等を整理する。

(11)刈払機の安全性向上に関する研究

[目的] 刈払機について、刈刃との接触を主因とする事故防止の観点から、取扱性等を考慮した刈払機用の刈刃停止機構を検討・試作する。

(12)農用運搬車用転倒シミュレーションプログラムの開発

[目的] 農用運搬車に装着するTOPS(横転時運転者保護構造物)の構造要件の一つである「不連続転倒機能」について、現在のシミュレーションでは確認できない走行装置の配列(3輪式等)を追加したプログラムを開発する。

(13) 乗用型電動ロータリ耕うん機の開発

[目的] エネルギー問題、地球温暖化への対応を目標に、従来の乗用型トラクタとロータリ作業機の組合せではない、電気を全駆動源とする小型の電動ロータリ耕うん機を開発する。