プレスリリース
平成24年度安全鑑定結果について

情報公開日:2013年7月 2日 (火曜日)

概要

  • 平成24年度分の安全鑑定適合型式数は、113型式(14機種)であり、機種別の内訳は、表のとおりであった。
  • 「その他機種」に分類されたものは、5型式(5機種)であった。

表 年度別安全鑑定適合型式数

主な機種の特徴等

農用トラクター(乗用型)

24年度の安全鑑定適合機は、6社56型式(安全キャブ仕様のみは16型式、安全フレーム仕様のみは8型式)で、その搭載機関の定格時出力は12~174kW(16~237PS)、排気量は1.115~6.727Lであった。機関出力74kW(100PS)以上の全体に占める割合は16%程度であり、23年度(同35%)から大幅に減少した。走行形式は車輪式が38型式、半装軌式(後輪のみ装軌)が17型式、装軌式は1型式であった。また近年増加傾向にある無段変速トランスミッションについては、搭載型式が11型式あり全体の約20%を占めた。

また、ディーゼル特殊自動車に対する排出ガスについては、23年10月から国内3次規制が適用されているが、安全鑑定適合機の中では、尿素SCRシステム*を搭載した機関出力133~263kWの輸入機9型式が国内3次規制に適合している状況である。

農用トラクター(歩行型)

平成24年度の安全鑑定適合機は4社9型式で、呼称出力が1.4~6.3kW(1.9~8.5PS)であり、6型式がガソリン機関を搭載した管理専用機、3型式がディーゼル機関を搭載したけん引駆動兼用型であった。このうちのけん引駆動兼用型3型式は歩行・乗用兼用型の機械であり、トレーラ走行時には、それぞれ前進10km/h以上、後進3km/h以上の速度で走行できるが、歩行運転の際には、前進速度が7km/h、後進速度が1.8km/hを超える速度段に入らないようにするけん制装置を備えている。

田植機

24年度の安全鑑定適合機は全て乗用型で、マット苗用4~8条植えが7型式、ポット苗用6、8条植えが2型式であった。植付機構は4条植え1型式がクランク式で、他は全て回転式であり、機関は5~8条植えでディーゼル機関が4型式、他5型式はガソリン機関で、機関出力は2.9~15.6kW(3.9~21PS)であった。元々は海外向けだったものを国内向けにアレンジしたものや、速度上限設定機能、苗載せ台端寄せ機能、車速連動植付深さ調節機能等を装備したものがあった。

動力噴霧機(走行式)

24年度の安全鑑定適合機は5型式で、自走式が2型式、とう載式が3型式であった。自走式は機関出力が12.9kW(18PS)、14 kW(19PS)、走行形式が4輪4駆・4輪操舵でスライド式ブーム散布幅15.9m、薬液タンク容量500Lの田畑用と、走行形式が鉄クローラでアーチ型折りたたみ式ブーム散布幅5.74m、薬液タンク容量600Lの茶園用であった。とう載式は全て旋回装置の付いたスライド式片ブームで、散布幅15.9、17.1m、薬液タンク容量800、850、1000Lであり、長いもやとうもろこし等の背の高い作物にも対応するため散布高さが0.5~2.5mの範囲で調節可能であった。

スピードスプレヤー

24年度の安全鑑定適合機は5型式で、機関出力が11.6~28.3kW(16~38PS)であり、立木・棚作り兼用の自走式であった。走行形式は全て4輪駆動で、1型式がHST変速で、操舵形式では4輪操舵のものが4型式あり、薬液タンク容量は500、600及び1000Lであった。キャビン付きながら全高1200mmと通常のものより150mm程度低くすることで棚作りでの作業性を高めたものや、ほ場の境界付近などで片側の散布しか必要ない場合に、ノズルを電動の遮断板で覆うことにより噴霧を停止するだけでなく、風洞部からの送風も遮って薬液の飛散(ドリフト)を抑制する機能を装備したものがあった。

コンバイン

24年度の安全鑑定適合機は、6条刈の自脱型1型式、刃幅159~250cmの普通型2機種であった。自脱型の適合機は自動化の機能を絞る一方で、クローラ・チェーン等の耐久性向上を図った、大規模営農集団等を意識した機種であった。普通型はいずれもオプションキット使用により、大豆・そば・小豆等に対応可能で、クラス(100PS級)最大級の室内空間、タンク容量を持ち、こぎ胴および選別部の強化を図った機種や、4tトラックに積載可能で公道走行も可能な小型汎用コンバインがあった。なお、小型汎用コンバインは大豆汚粒を低減させる撥水加工搖動板や脱穀負荷を安定させる送塵量自動調節機能を導入している。

乾燥機(穀物用循環型)

24年度の安全鑑定適合機は12型式であり、最大呼称張込量は3.0~5.5t、全てが複数企業による共同開発機であった。送風機にインバータを搭載し、穀物の種類、張込量または水分に応じて送風機の回転速度を変更し風量を変える機能を持ち、従来の稲麦用になかった流量センサを安全装置として採用するなどの特徴を持っており、下搬送及び昇降機を一つのモータで駆動することによる省エネルギー化、操作盤・モニタを大型化し情報量を増やすことによる取扱性向上が図られていた。

その他機種

その他機種としては、歩行型で装軌式の甘しょハーベスター、乗用型で、収穫物をバッグに収納するタイプの人参ハーベスター、乗用型装軌式で、バレイショ、原料用甘しょの収穫物を行ういも類収穫機、四輪駆動の乗用管理機及び乗用型で装軌式のさとうきび運搬車があった。

用語の解説

尿素SCRシステム

排出ガス浄化技術の1つであり、尿素水を排出ガス中に噴霧することで得られたアンモニアガスにより、窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解するシステム。SCRはSelective Catalytic Reductionの略であり、「選択触媒還元」のことである。