独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
広島県立総合技術研究所 畜産技術センター
(株)藤原製作所
要約
(独)農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター、広島県立総合技術研究所畜産技術センター、(株)藤原製作所は、畜産農家等に搬入される多数の稲発酵粗飼料のロールベールを解体することなく代表サンプルを採取できる広島県発明の「畜産飼料用ドリル式コアサンプラー」を共同で改良し、「フィードサンプラー」として商品化しました。
わが国の食料自給率は39%と極めて低く、その向上のためイネをポリエチレンフィルムで梱包したロールベール内で発酵させてサイレージにする稲発酵粗飼料が注目を集めています。その牛への給与にあたっては、飼料成分を分析する必要があり、従来の分析ではロールベールを解体して試料採取を行っていました。そのため多大な労力を要していましたが、広島県はロールベールを解体する必要のないコアサンプラーを開発し、それを用いて中央農業総合研究センターは畜産農家などに搬入される多数のロールベールの代表サンプルを採取できるサンプリング法を開発しました。しかし、このコアサンプラーは商品化されておらず、広く普及するには至っておりません。
そこで、このコアサンプラーを刃先交換可能にするとともに、試料のサンプラーからの取り出しをより簡単にできるように改良しました。この研究成果を利用して商品化された「フィードサンプラー」が(株)藤原製作所から市販される予定で、稲発酵粗飼料の普及と自給率の向上に大いに役立つことが期待されます。