プレスリリース
花粉が飛散しないイネの開発その他の遺伝子組換え生物の安全性確保研究の成果について

- 平成19年度の安全・安心につながる基礎・基盤研究成果の紹介 -

情報公開日:2007年9月21日 (金曜日)

農林水産省
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
独立行政法人農業生物資源研究所
独立行政法人農業環境技術研究所

農林水産省では、平成14年度から実施している委託プロジェクト研究「遺伝子組換え生物の産業利用における安全性確保総合研究」において、「花粉が飛散しないイネ系統を発見」するなど、遺伝子組換え農作物の実用化研究を進める上で、国民の皆さんの安全・安心につながる成果を着実にあげています。

このたび、主な成果を中間的に取りまとめましたので、お知らせします。

なお、本プロジェクト研究は、国民の皆さんの関心及び期待も高いことから、毎年その成果を取りまとめ、お知らせしていくこととしています。また、花粉が飛散しないイネの開発の詳細な成果は、8月31日付のPlant Biotechnology Journal誌のオンライン版に掲載されました。

1 花粉が飛散しない(閉花(へいか)受粉性)イネの開発状況について

開花せずに種子を形成できるイネ系統と原因遺伝子を特定しました。今後、花粉が飛散しないイネを開発するための基盤技術として期待されています。

2 雄性不稔(花粉を作らない性質)アブラナ科作物の開発状況について

アブラナ科作物で、花粉を作らない性質の原因遺伝子を特定しました。今後、花粉を作らない遺伝子組換え作物を開発するための基盤技術として期待されています。

3 自動花粉モニターの開発

特定植物の花粉を区別し、飛散量を正確に把握できる機器を開発しました。今後、遺伝子組換え作物を栽培した際の花粉飛散量を正確かつ効率的に把握する技術として期待されています。

4 輸入港周辺におけるセイヨウナタネ個体群の調査結果

毎年度調査結果を公表しており、今回の調査でも、セイヨウナタネの生育域は拡大していないことが確認されました。このことから、セイヨウナタネは周辺群落に侵入した場合でも、競合により他の植物を駆逐して生育域を拡大することはないと考えられます。